今年の3歳馬は有望度の見極めが難しい
今年のエリザベス女王杯には3歳馬が3頭登録しているが、うち2頭は前走が秋華賞ではない馬である。ローズS2着から来るブレイディヴェーグは1番人気になりそうだが、有望度の見極めが難しい。
似たようなケースはどれくらいあるか。エリザベス女王杯に4歳以上馬が出走できるようになった1996年以降、エリザベス女王杯に出走した3歳馬は130頭。そのうち102頭までは前走が秋華賞だった。
残り28頭の成績は[1-1-1-25]なのだが、勝ち馬が誰だかお分かりだろうか。2010年に優勝した外国馬のスノーフェアリー。同馬を含めて外国3歳馬の出走は通算5例あるが、これはさすがにちょっとパターンが違いすぎるかなと思えるので除く。残りは23頭である。その成績は[0-1-1-21]で、2着は1000万以下勝ちから来たラキシス、3着はオークス以来のラヴズオンリーユー。好走馬が2頭しかいないうえブレイディヴェーグと臨戦過程が違い過ぎて参考にならない。
そこで、ローズSを軸に考えてみよう。1996年以降のローズS(施行条件が変わっているがそこは無視する)を対象にすると、
ブレイディヴェーグと同じローズS2着馬は9頭中4頭が馬券に絡んでいるが、1着馬と併せた着度数は[3-4-2-17]で勝率11.5%、1〜3着馬合算で[4-4-2-23]の勝率12.1%。今回単勝3倍前後と考えるとちょっと低い。
秋華賞を経由するよりここへ直行のほうが状態面で有利と考えたらもう少し高い勝率が望めるし、秋華賞を経由していた場合そこで大敗した馬はエリザベス女王杯に出走しないので、その意味でもこれよりは高い確率での勝利を見込んでいいかもしれない。ただそれでも単勝3倍に見合うかというと、微妙なところのように思う。
ローズS1〜2着馬の複勝率を考えると馬券から消すことはできないが、ブレイディヴェーグ1着固定と決め打ってしまうのも憚られる。「古馬の壁」についても考えてみたい。