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【チャンピオンズC予想】成績に疵の無い馬はGI制覇に辿りつくのか

  • 2023年11月28日(火) 12時00分

連勝する馬はGIでも通用するのか


 今週はそのまま馬券に適用していいのか分からないが、エピソード的に関心のありそうな話をお送りしたい。

 今週のチャンピオンズCにはデビューから5連勝でみやこSを制したセラフィックコールがいる。過去に類似事例はどのくらいあったのか、そこまで連勝する馬はやはりGIでも通用するのか、そのあたりを見てみたい。

 新馬戦が一発勝負になった2003年6月、つまり現在の22歳世代以降について見てみよう。現22歳世代から現3歳世代までに、新馬戦を勝った馬は計5502頭いる。

 以下、JRAの競走のみを対象に連勝を見ていくが、新馬勝ち馬のうち2戦目も勝ったのは630頭、デビューから連勝というのは意外に難しいようだ。デビューから3連勝は114頭。4連勝は27頭。セラフィックコールを除く20頭は重賞勝ちだが、すべて世代限定重賞であり、古馬重賞というケースはない。

 デビューから5連勝はセラフィックコールを含め8頭のみ。すべて重賞だが、世代限定GI勝ちが5頭。残る2頭は毎日王冠のカレンブラックヒルのとチャレンジCのレイパパレ。カレンブラックヒルはその後スランプに陥るが、5連勝の過程でNHKマイルCを勝っている。レイパパレは6連勝目の大阪杯を勝った。つまり、中央でデビュー5連勝の馬はその前か後にすべてGIを勝っているということになる。

 該当馬があまりに少ないので、「初のJRA重賞勝ちが古馬平地重賞、それより前にJRAの競走で連対率100%」という馬も探してみた。

 こちらは正直集計漏れや除外漏れが怖いが、私の集計では「現3〜22歳世代で初JRA重賞勝ちが古馬平地重賞」という馬は627頭だった。

 それ以前のJRA成績が勝率100%だったという馬は3頭。今回のお題であるセラフィックコール、先述のレイパパレ、そして中央で2戦2勝、加えて地方側のダートグレードで3連勝していたクリソベリルだ(中央の初重賞は古馬重賞のチャンピオンズカップ)。

 連対率100%は他に4頭いる。レモンポップはフェブラリーS勝ち。ロードカナロアは説明不要の大物。ブレイディヴェーグは初重賞がGIのエリザベス女王杯。

 唯一、アドマイヤコスモスだけがGIを勝っていないが、この馬は名古屋経由の出戻り、かつGIを走る機会がないまま抹消している。

 基準を「初重賞が古馬重賞、そこにたどり着くまで複勝率100%」に緩めるとGIを勝てなかった馬が入ってくるが、それでもオメガパフューム、チュウワウィザード、モーニンがGIを勝っている。

 つまり、デビューから中央で5連勝するような馬や、連対を外さずに初重賞を古馬重賞で勝つような馬は、ほぼ全員がキャリアのどこかでGIを勝っている。セラフィックコールも馬がそのレベルにあることは間違いなく、あとは「GIを勝つのが今週なのかどうか」ということだけだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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