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【青葉賞・ユニコーンS・天皇賞(春)予想】長距離は「牝馬」が鍵を握るか サリエラら有力馬の調教をジャッジ

  • 2024年04月24日(水) 18時00分

ドゥレッツァは初めての栗東滞在


 先週で福島が終了、今週から新潟開催が始まります。福島では、やっぱりローカル開催といった配当が連発していただけに、新潟でもそんな場面に期待したくなります。もちろん、高配当を的中させるために調教適性の事前準備をしていますから、さあ、いらっしゃいって感じです(笑)。

 そして、京都では天皇賞(春)。正直、最終追い切りを確認して、その内容を精査するまでは本命どころか、予想の組み立てすら決めることができません。これまでの長距離戦線における重賞実績のある馬で平穏な結果となるのか、波乱もあるのか。その鍵は「牝馬」が握っているように思えてなりません。

【青葉賞/シュガークン】

 デビューから3戦が2着、1着、1着。その3戦に共通する調教パターンが1週前追い切り、CWで併せ先着です。今回の1週前追い切りは先週のマイラーズCに出走したボルザコフスキーが相手。これを追走して先着するのですから、さすがはデビュー戦で「将来性高い調教適性」に該当しただけのことはあります。

 今回のローテーション中4週は前走の中3週と似た間隔。追い切り本数は前走と同じ4本ですが、東京輸送があることを考えれば、決して少ない本数ではありません。調教の開始時期もほぼ同じですし、この馬自身の気になるところは何もありません。あとは下記に記した、青葉賞の調教適性が最上位になるような馬との比較だけでしょう。

【ユニコーンS/ムルソー】

 ダートに転じた2戦で連勝。ひょっとしたらデビュー戦の最終追い切りが坂路だったところをCWに変更したことが良い結果になったというところもあるかも知れません。1週前追い切りも最終追い切りもCWというのが、ここ2走のパターンになっています。

 ただ、今回はレース間隔が中2週になったこともあってか、1週前追い切りは坂路。この判断が難しいところですし、そもそもハナを主張していきそうなメンバーが揃ったこのタイミングで調教パターンが変わるというのはあまり高い評価ができません。レース当日はここ2戦同様、湿った馬場になりそうという意味ではプラスですが、いろんな側面から冷静な判断も必要になるでしょう。

調教Gメン研究所

冷静な判断も必要になるムルソー(4月23日撮影)



【天皇賞(春)/ドゥレッツァ】

 前走の金鯱賞の調教内容を評価する時に「美Wで4F50秒台の追い切りがないので、次走に向けて余裕のある調教内容」としましたが、その判断はあながち間違っていなかったように思っています。それだけに今回も4F時計はひとつのポイントになると考えています。

 初めて栗東に滞在しての追い切りですが、1週前追い切りは古馬2勝クラスを追走して同入。4F51.5秒ですから、美Wとの違いがあるとはいえ、トラックウッドチップ馬場で51秒を切ってこなかったことに少し頭を悩ませています。ただ、3F36.5秒、1F11.2秒は素晴らしいラスト3Fでしたし、初めての栗東滞在でこの動きなら評価すべきでしょう。

 最終追い切りのCWでは水分をたっぷり含んだ馬場と強風の影響で4F52.0秒とこの馬にしては少し地味な時計になりましたが、追い切った時の環境を考えると仕方ないかもしれません。

調教Gメン研究所

最終追い切りが少し地味な時計になったドゥレッツァ(4月24日撮影)



【天皇賞(春)/テーオーロイヤル】

 前走阪神大賞典は中3週だけど、1週前追い切りのCW6F時計が遅かったことを懸念してか、最終追い切りがCWである程度の6F時計を出してきました。これだと天皇賞(春)に向けては余裕がなくなってしまうんじゃないかと懸念していましたが、そんなことは杞憂だったんだと思ったのが、今回の調教内容。

 それこそ、3週前の段階で坂路で時計を出していますし、1週前追い切りはCW6F80.3秒。この追い切りがあっても週末追い切りを飛ばすことはなく、坂路でいつも通りの追い切りを消化しました。そして、最終追い切りはCWで3頭併せを一番後ろから追いかけて、ゴール前で差を詰めるもそのまま遅れ。気にすることはないと思いますが、いつものパターンが違うのはどうかでしょう。

調教Gメン研究所

坂路でいつも通りの追い切りを消化したテーオーロイヤル(右、4月24日撮影)



【天皇賞(春)/サリエラ】

 これまで休み明けはあまり追い切り本数を消化することのなかった馬ですが、前走に関しては珍しく8本の美Wと美浦坂路の追い切りを消化。しかも馬体重が10キロ増えていましたから、理想的な成長を見せているのかなと思いました。

 今回は栗東に滞在。追い切りが4本というのはエリザベス女王杯の時と同じですが、前走で結果が出たことを思えば、やっぱり気になります。1週前追い切りの動き自体は活発だったので、馬自体は全く問題ないと思いますが、さすがにこの距離を走るにあたってはもう少し追い切り本数があっても、という気がします。ただ、最終追い切りでのCWの時計はさすがでした。

調教Gメン研究所

最終追い切りでの時計がさすがだったサリエラ(4月24日撮影)



◆次走要注意

・4/21 福島中央テレビ杯【ファルヴォーレ】(12人/9着)

 着順は悪かったものの、上がりはメンバー最速タイの33.5秒。ほぼ最後方からではどうしようもないレースでした。ただ、平地を使いながら確実にパフォーマンス自体は上がっています。

[メモ登録用コメント] [芝短距離]最終追い切りが栗坂で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝2400m>
◎追い切り本数標準以上併用系統
○最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ
○最終追い切り美W馬なりラスト1F最速ラップ

 昨年の青葉賞は1着2着が1番人気2番人気ではありましたが、◎と美Wの○で決着しました。この2頭はトラックのダブル最速にも該当していたので、競走実績として末脚のしっかりしているタイプであることは重要かもしれません。3着馬は4F目最速ではありませんでしたが、最終追い切りが栗東坂路でした。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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