今開催からパドックの周回時間が短縮
相変わらず厳しい暑さが続いている日本列島。今開催からパドックの周回時間が短くなり、それによって、パドックをじっくりと見ることができないと不便に思われている方もいるかも知れません。ただ、暑い最中、ずっとパドックを周回することは体力の消耗でしかなく、本来用意していたコンディションがその行為で崩れてしまうことだってあります。
パドックが予想ファクターとしてすごく重要であることは間違いないと思います。ただ、調教も夏場と冬場で方法に変化をつけるように、パドックも暑さを考慮した対策というのは必要だと思います。厩舎関係者としては「真夏は2、3周くらいがベスト」ということですから、個人的にはその方向に進んでいくことが未然に事故を防ぐ最善策でもあると思います。
【北九州記念/ロードフォアエース】
オープン、リステッドでは2着が続いているものの、重賞のここで予想オッズは1番人気。初めての重賞挑戦でも期待の方が上回っているということなのでしょう。今回は少しレース間隔があいたので、そこはひとつポイントになるかもしれません。
まず、調教量としては多くありません。だからというわけではないのでしょうが、CWでの1週前追い切りがこの馬としては少し物足りなさを感じる動き。古馬1勝クラスに遅れたのは意外でした。とにかく追い切りはめちゃくちゃ動く馬なので、これが気になる状態は間違いなのですが、最終追い切りは坂路で4F52.6秒をマーク。これが自己ベスト更新なので、軽視するというわけにもいかないでしょう。
【北九州記念/アブキールベイ】
前走葵Sを勝ったことで、一躍注目を集めることに。3歳牝馬、53キロで出走できるという点も魅力なのでしょう。こちらも予想オッズでは人気を集めています。休み明けだった前走は1週前追い切りに坂路で4F51.9秒をマークして自己ベストを更新。1週前追いの負荷が重要だったと思います。
今回は中4週なので少しパターンは変わってくると思いましたが、1週前追いは坂路4F52.4秒。速い数字ではありませんが、遅くもない時計。最終追い切りの坂路4F54.4秒は前走の最終追いとほぼ同じなので、状態は変わらずといった感じでしょう。
【北九州記念/ヨシノイースター】
春雷Sから北九州記念は昨年と同じローテ。違うのは、春雷Sを勝っての出走が今年になります。7歳ではありますが、前走勝った勢いを感じる、今回の調教内容。1週前追い切りは坂路で4F51.6秒、2F23.8秒、1F11.8秒。素晴らしいラップを踏んでいます。
そして、最終追い切りも坂路4F52.6秒。2F24.0秒、1F11.7秒としっかりしたラップを踏んでいて、最終追いの内容も昨年以上といってよいかもしれません。調教内容としては高く評価できるだけに、あとは昨年よりも1キロ重くなった斤量。ここがどう影響するかということになりそうです。
【ジュライS/シゲルショウグン】
前走仁川Sは16着の大敗でしたが、カノープスS4着の実績が評価されているのか、予想オッズでは人気上位。休み明けを叩いた方がパフォーマンスが向上するタイプですが、今回もレース間隔はあいています。
調教量に関しては非常にたくさん乗り込んだ印象。CWと坂路を併用しており、これまでの休み明けと比べても本数は多いと思います。だからなのか、最終追い切りのCWでは6F79.3秒をマーク。実際に追い切りを見ることができていないので、数字からの判断でしかありませんが、1F10.9秒も秀逸。あとは自分の競馬をするだけといったところでしょうか。
◆注目の新馬戦
・6/29 2歳新馬【ゼロヴィジビリティ】(1人/3着) 将来有望調教該当<2頭>
ウマい馬券の予想が▲○◎で決着したレース。2着馬が将来有望調教に該当していませんでしたが、追い切り内容からは高い評価ができた馬。1着馬はスプリンターとして非常に優秀だったと思いますが、本馬はこれから距離を延ばしてもよさそうな気がします。
◆開催おすすめの調教適性
<小倉芝1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で2F目3F目区間加速が1秒以上で4F目最速ラップ
◎1週前追い切り以降にCWでラスト3Fが13.9秒以下、11.5秒以下、11.5秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
☆1週前追い切り以降に坂路馬場で2F目13.5秒、3F目以降12.5秒以下のラップ
☆1週前追い切り以降に坂路馬場で2F目以降12.9秒以下のラップ
☆は北九州記念で要求される調教適性。ただ、先週の佐世保Sでは最終追い切りが栗東坂路で2F目以降13.2秒、12.0秒、12.5秒のラップを踏んだ単勝5.8倍が1着。現状の馬場としてはスピードの持続力がすごく重要かもしれません。