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【セントウルSなど予想】秋GIに向け前哨戦で好スタート切れるか? 出走予定馬の調教内容をジャッジ

  • 2025年09月03日(水) 18時00分

ママコチャは昨年以上の順調さ


 今週から中山、阪神の開催がスタート。紫苑Sは秋華賞トライアル、セントウルSはスプリンターズSのトライアルとなるだけに、ここで見当違いの予想をしてしまっては、秋のGIレースで好スタートを切ることはできません。今春に桜花賞を的中してオークス、皐月賞を的中して日本ダービーという的中の流れをつくることができただけに、秋もその流れをつくって、年末まで乗り越えていきたいと思います。

 紫苑Sは中山競馬場のレースですが、栗東所属馬がしっかりと成長して、仕上がっての状態だけに結果を出してくれると予想。セントウルSはちょっと難しいなあという現時点での予想。スプリンターズSもイメージすると、下手に穴を狙っていくわけにもいかないかなと思案中です。

【札幌2歳S/アーレムアレス】

 ダートで活躍したアーテルアストレアの半弟。ゆえに血統的にはダートだと思いますし、追い切りで見せる走法も力強くてダートっぽい印象。ただ、前走は函館芝1800mの良馬場で3番手から抜け出して快勝。洋芝ではその性能の高さを評価した方がよいでしょう。

 まして、札幌開催の最終週。今の芝がフィットしていることは先週、菱田裕二騎手が跨った追い切りの走りを見ても明らかです。最終追い切りの内容は確認できていませんが、引き続き好走できる状態にあることは間違いありません。

【京成杯AH/エリカエクスプレス】

 新馬、フェアリーSを連勝。その時の1週前追い切りがCWで併せ馬を課していたのに対して、桜花賞とオークスは1週前追いがCWだったにもかかわらず、単走という内容でした。明らかに折り合いを気にした調整でしたから、まずはここが単走なのか併せなのかというところが今回の注目ポイントです。

 調教映像でも確認していただけるように、今回の1週前追い切りはCWで併せ馬。3コーナーで頭を上げるシーンはあったものの、そこで我慢して、最後の直線では内からスムーズに加速することができています。今回がフェアリーSを勝った中山マイルということもあるのか、攻めた追い切り内容になっているだけに今回は結果を出してくれそうです。

調教Gメン研究所

エリカエクスプレスの攻めた追い切りが実を結ぶか注目(9月2日撮影)


【紫苑S/リンクスティップ】

 桜花賞3着、オークス5着。春のGI実績馬が秋華賞トライアルに登場ということで、人気になるのは当然でしょう。問題は休み明け、ここから力を発揮できるかというところですが、この馬の収得賞金は1200万。十分とはいえない持ち賞金だけに、当然ここで勝ちたいという調教内容だと思います。

 それを実感させてくれた、1週前追い切りのCW。北村友一騎手が跨り、6F81.0秒の全体時計は素晴らしい内容でした。しかもラスト1Fが11.0秒で余裕のある動き。これで仕上がり万全と思ったので、最終追い切りはどのような内容でも評価すべきだと考えていました。最終追い切りの坂路は僅かにちぐはぐラップを踏んだことで、4F目最速ではありませんでしたが、大きく評価を下げるほどではないと思います。

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素晴らしい1週前追い切りを見せたリンクスティップ(8月26日撮影)


【紫苑S/ダノンフェアレディ】

 新馬戦でショウナンザナドゥを破った時は阪神JF最有力と思いましたが、その後は故障があって、戦線復帰が遅れました。結局、春シーズンはGIへ出走することができず、前走は1勝クラスで地道な勝利。中8週で使うことができる今回は前走以上かなと思える調教内容です。

 それもそのはずで、ここで3着以内に入らないと3歳牝馬最後のGI、秋華賞へは出走できません。1週前追い切りのCWでは気持ちのこもった内容で3頭併せ最先着。最終追い切りは木曜日に行われる予定ですが、これは前走と同じパターン。今回が初重賞になりますが、ポテンシャルの高さはこのメンバーでもトップクラスです。

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調教内容は前走以上と思わせるダノンフェアレディ(9月2日撮影)


【セントウルS/ママコチャ】

 昨年と同じ、セントウルSからスプリンターズSの路線になるのでしょうか。今年は高松宮記念の後、京王杯スプリングCを挟んでいるので、ローテーションとしては今年の方が順調度は上に思えます。追い切りの開始は昨年の方が早いのですが、今年は8月に入ってからでも十分間に合う状態だったのでしょう。

 1週前追い切りのCWでの併せ馬は相手が待ってくれていたところを見ると、やっぱり休み明けっぽさはあるのかもしれませんが、6F81.0秒、3F36.2秒、1F11.2秒という時計を見ると、休み明けだからと軽視できるはずもありません。坂路での最終追い切りは4F目最速ラップは踏めなかったものの、2F24.2秒は昨年の25.0秒よりも速いので評価の対象となります。

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昨年以上の調教内容に思えるママコチャ(9月2日撮影)


◆注目の2歳戦

・8/30 2歳未勝利【チェルヴァーラ】(1人/3着) 将来有望調教該当<5頭>

 勝ち馬カラペルソナは将来有望調教に該当していなくても、今後の重賞戦線での活躍が期待できる馬。2着エチゴドラゴンは新馬戦でも2着だった相手ですが、これは脚質の関係もあるでしょう。もう少しスタートを出るようになれば、ベストなのでしょうが、またしてもメンバー2位の上がりというところで、勝った相手を褒めるしかありません。

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1200m>
◎最終追い切り坂路馬場で4F目12.9秒以下かつ4F目最速ラップ
◎最終追い切り坂路馬場で3F目以降が12.5秒以下

 ◎はダブルに該当する可能性がありますが、2023年秋開催では◎◎が勝って単勝万馬券というケースがあり、4F目最速かつ2F時計が速いというのは好走のポイントになりそう。特に6月の開催から十分に芝が生育しているでしょうから、時計の速い決着になれば、なお重要かもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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