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【オールカマーなど予想】好メンバー揃う伝統の一戦 難解な重賞に出走する有力馬たちの調教内容をジャッジ!

  • 2025年09月18日(木) 18時00分

京都記念覇者ヨーホーレイクの調教内容は?


 先週のGIトライアルは春のGIホースであるカムニャックとミュージアムマイルが勝利。2頭とも「力の違い」を見せつけるようなレースぶりでした。ローズSは◎、セントライト記念は▲でしたが、どちらもウマい馬券の予想は的中。先々週の紫苑Sは外してしまいましたが、この調子で神戸新聞杯もきっちり的中させたいところです。

 オールカマーは11頭立てですが、これが難しいメンバーですね。netkeibaの予想オッズで下位のリビアングラスですが、京都記念2着の実績があって、日経賞は0.1秒差の4着。これに脚質を考慮すると、軽視できない存在だと思いますが、ここまでケアして馬券的には大丈夫なのかどうか。これはほんと難しいです。

【阪神ジャンプS/ネビーイーム】

 2024年6月に障害OPを勝って以降、6戦してすべて3着以内。前走は小倉のソレイユジャンプSを圧勝しました。これが久しぶりの勝利だったわけですが、調教の様子を見ていると、馬の充実ぶりを感じずにはいられません。

 CWでの追い切りの時計は遅くて、最終追い切りも6F86.4秒。重要なのは数字ではなく、きれいに加速するラップを踏むことができていること。力みというか、本当に無駄な力が抜けた状態で走ることができており、いわゆる省エネ走法。それでいて、最後の直線では12.3秒、12.2秒のラップを踏むことができるわけですから、ここも結果を出してくれるものと注目します。

調教Gメン研究所

無駄な力が抜けた状態で走ることができているネビーイーム(9月17日撮影)


【オールカマー/ヨーホーレイク】

 中山競馬場はホープフルS3着、皐月賞5着と決して相性の悪い成績ではありません。距離に関しても今年の京都記念を勝っているので、2200mは全く問題なし。レースは日曜日ですが、輸送は土曜日ということで、先週の3日間開催で調教日程が変則になっても、9月14日の日曜に坂路で軽く時計を出し、全休の16日火曜日も坂路で軽い調整を行って、17日の最終追い切りに備えました。

 4F53.6秒で4F目12.3秒の最速ラップ。単走でしたが、かなりしっかりと動くことができていて、1週前追い切りのCWでも動いていたイメージをきっちり継続してきたような内容。前走は大敗してしまいましたが、そこから巻き返すことができるだけの状態は整っていると思います。

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前走からの巻き返しを期待できる状態にあるヨーホーレイク(9月9日撮影)


【オールカマー/リカンカブール】

 昨年の3着馬であり、中山競馬場では中山金杯で重賞を制覇。人気になって不思議ない実績ですが、さすがに今年の中山金杯を15着に惨敗して、去勢初戦となった前走が11着。前走時のCW追い切りも動きは目立っていただけに、なかなか調教だけでは判断できないのかも知れません。

 今回も吉田隼人騎手が跨ったCWでの1週前追い切りは軽快な動き。古馬1勝クラス2頭を相手に最先着しているので、見た目の動きはなかなかでした。ただ、時計が6F83.8秒、1F11.7秒。同じ83秒台でもラスト1Fが11.1秒だった昨年に比べると物足りない印象は否めませんが、北村友一騎手が跨った最終追い切りではCWでラスト2Fが11.9秒、11.2秒。思った以上に動くことができていました。

【神戸新聞杯/ショウヘイ】

 きさらぎ賞の敗戦からきっちり巻き返した京都新聞杯が重賞初勝利。中2週での出走だった日本ダービーは前2頭には離されたものの、3着確保で力のあるところを見せてくれました。今回は菊花賞へ向かうためのトライアルということですが、8月中旬からは栗東で追い切りをスタートしています。

 プールを併用しながらの調整はいつも通り。友道厩舎にしては坂路での追い切りが少ないのも、この馬のパターンです。ちなみに最終追い切りがDPも京都新聞杯、日本ダービーと同じパターン。単走でしたが、6F82.3秒、1F11.0秒とさすがの動き。気持ちで走るところはあるので、休み明けは全く心配ありませんが、もう少し短めの距離でも良いくらいのスピードタイプという印象は拭えません。

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もう少し短めの距離でも良いくらいの印象に映ったショウヘイ(9月17日撮影)


【神戸新聞杯/ライトトラック】

 未出走の身で未勝利へ出走していますが、CWでの2週前追い切り、1週前追い切りはいずれも併せ馬で先着する内容。3F時計が36秒台と速くて、能力の高さは見せていました。ただ、単走になると時計が遅くなりがちというのは、過去2戦に見られた傾向です。

 今回も1週前追い切りのCWではヨーホーレイク、ショウヘイといった重賞ウイナーを追走したので、かなりしっかりと動いて、3F36.1秒。ここで気合が入り、最終追い切りはDPで6F85.3秒。前方にショウヘイが走っていましたが、向こうが途中でラップを速めたのに対して、こちらはゆったり。この内容を見ても、長距離への適性はこちらの方が上なのかなという気はします。

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調教内容から長距離への適性はありそうなライトトラック(9月17日撮影)


◆注目の2歳戦

・9/14 2歳新馬【ベベペッパー】(7人/7着) 将来有望調教該当<2頭>

 単勝人気順の着順と考えると、妥当な結果かも知れませんが、将来有望調教のダブルに該当していたことを思えば、かなり物足りない成績。ダート1800mという条件で牡馬と同斤量で走ること自体が難しかったのかも知れませんが、次走はあらためて注目したいと思います。

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝2400m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
◎最終追い切り坂路馬場で4F目最速ラップ

 2023年の神戸新聞杯は単勝5.0倍の標準多め坂路主体が1着。そこから間があいて、2019年の神戸新聞杯は単勝1.4倍の標準併用が1着。阪神芝2400mで行われる神戸新聞杯は追い切り本数が標準以上の併用系統が基本です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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