こんにちは、テレビ東京「ウイニング競馬」の矢野吉彦です。今週から新たに当コラムを連載することになりました。どうぞよろしくお願いします。
記念すべき第1回のテーマは、もちろん日本ダービー。「ウイニング競馬」は土曜日の放送ですが、番組では日曜日に行われる主なGIレースもナマの実況を付けて映像を収録しています。私にとっては、ダービーの実況も重要な仕事の1つ。1990年に当時の「土曜競馬中継」で実況を担当し始めて以来、毎年、喋らせてもらっています。
1990年の日本ダービーと言えば「ナカノコール」。勝ったアイネスフウジンが中野栄治騎手を背にスタンド前に戻ってきたら、19万人の大観衆の中から突然「ナカノ、ナカノ!」の大合唱が沸き起こりました。競馬場にああいうコールが起こったのは初めてのこと。今にして思えば、バブル景気の高揚感が作り出した歴史的名場面と言えるかもしれません。何しろ、日本中がお祭り騒ぎでワーワー言ってた時代でしたから。
この年のダービーは22頭立て。92年に馬連の発売が始まってからは18頭フルゲートになったので、これも今では懐かしい数字です。そうそう、ハイセイコー産駒最後の大物、皐月賞馬のハクタイセイが出ていた(直線で伸びを欠き5着)レースでもあるんですよね。ついこの前のことだと思っていんですが、改めて思い返してみたら、ずいぶん昔のことになっちゃいました。
では、今年のダービーの予想を。先週のオークスで桜花賞上位馬が好走したことから、まずは皐月賞上位馬のタケミカヅチ、マイネルチャールズをピックアップ。この2頭を取り上げる理由はそれだけじゃありません。今回は、皐月賞馬キャプテントゥーレが故障で不在。同馬の父アグネスタキオンも2001年の皐月賞を勝って故障、引退したため、ダービーには出られませんでした。その年のダービー馬は皐月賞3着のジャングルポケット、2着が同2着のダンツフレームでした。歴史は繰り返すかも、と考えたわけです。
これに、共同通信杯を制したショウナンアルバ(ジャングルポケットも共同通信杯を勝ちました)、切れ味抜群のディープスカイ、テレビ東京杯青葉賞の勝ち馬に敬意を表してアドマイヤコマンドを加え、5頭の馬単ボックスを買います。むむっ、これって、1〜5番人気馬のボックスかなぁ?でもまぁ、いいか。
ところで、アイネスフウジンが勝ったとき、私は「忘れちゃ困る関東馬!」と実況しました。当時も関西馬がGIタイトルを独占していたからです。1997年のサニーブライアンを最後にダービーのタイトルから遠ざかっている関東勢も、今年は手駒が揃ってチャンス十分。日本の競馬が世界と勝負するためには、関東も関西もないはずですが、今年ばかりは関東馬にちょっとだけ肩入れしてみようかなと思っています。
【オマケ】
1日には、ばんえい競馬の重賞「柏林賞」が行われます。こちらは、ばんえい4歳3冠レースの初戦。私の予想を
ばんえい競馬情報局で公開していますので、ぜひご覧の上、“参戦”(馬券を購入)してください!