今年のアメリカ3冠レースとイギリス、フランス、日本の春のクラシックシーズンが終了し、IFHA=国際競馬統括機関連盟から6月8日時点の「トップ50ワールドリーディングホース」が発表されました(JRAの発表=http://www.jra.go.jp/datafile/ranking/top50wrh/200806.html、IFHAのホームページ英語版=http://www.ifhaonline.org/home.asp?lang=e)。今回のコラムでは、その中から3歳馬だけをピックアップして、あれこれ考えてみたいと思います。
今年、最も高い評価を受けたのは、ニューアプローチの英ダービーと、ビッグブラウンのケンタッキーダービーとプリークネスSでのパフォーマンスで、レーティングは126(単位=ポンド、以下同じ)でした。これに、タータンベアラーの英ダービー=2着が125、ヘンリーザナヴィゲーターの愛2000ギニーとザルカヴァの仏オークスが124で続いています。
IFHAのホームページでは、05年以降のランキングも見ることができます。英ダービー馬のレーティングは、05年のモティヴェイターと昨年のオーソライズドが126でしたから、今年のニューアプローチはその2頭に匹敵する素晴らしい走りを見せた、とされたわけです。そして、英ダービー2着のタータンベアラーにも125という好評価が与えられたということは、今年の英ダービーがかなりハイレベルなレースだったと言えます。
さらに、ケンタッキーダービーとプリークネスSのビッグブラウンには、昨年のダービー馬ストリートセンスと05年のプリークネスS優勝馬アフリートアレックスの125を上回る評価が与えられました。ビッグブラウンの両レースでのレースぶりは、どちらも歴史的なパフォーマンスだった、ってことです。
歴史的、と言えば、ザルカヴァの仏オークスも特筆すべきものです。昨年、ラグズトゥリッチズが牝馬として102年ぶりにベルモントSを制した時のレーティングは121。英1000ギニーをレコードタイムで制したフィンスケールビオは119でした。それに比べると、124という数字はきわめて高い評価。2100mの勝ちタイム2分7秒10、2着に3馬身差をつけて無傷の5連勝と、文句のつけようのないレースぶりでしたから、それも納得できます。
このほか、ヴィジョンデタの仏ダービーに121、ファルコの仏2000ギニーに120のレーティングが与えられました。これも、05年以降の両レースでは最も優秀なパフォーマンスという評価を受けました。
一方、日本では、ディープスカイのダービーが117。これは昨年のウオッカと同じ数字です。05年のディープインパクト(120)は別格として、06年のメイショウサムソンに与えられた118を上回ることはできず、今回発表されたトップ50(実際には118で39位タイの馬が26頭いるのでトップ64)にもわずかに及びませんでした。欧米のトップとはだいぶ水を空けられちゃいましたね。
ちなみに、ベルモントSのダタラのレーティングは119。ビッグブラウンがケンタッキーダービーとプリークネスSで受けた評価に比べると、かなり低い数字です。もしカジノドライヴがベルモントSに出走し、ダタラと僅差の勝負をしていたら、これ並みかこれ以上のレーティングを与えられていたはずで、世界30位以内にはランクされたでしょう。
今回発表されたレーティングからすると、今年の欧米3歳トップホースたちは、歴代の勝ち馬に勝るとも劣らないレベルで拮抗しているようです。現地時間17日に行われるロイヤルアスコットミーティングのセントジェームズパレスS(3歳限定のマイル戦)や、ニューアプローチとタータンベアラーらが再度顔を合わせそうな愛ダービー(現地時間29日)など、今後も注目の3歳馬レースが目白押し。みなさんもぜひチェックしてみてください。
さて、春のGI戦線も一休み。今週のエプソムCはファストロックに期待します。また、ばんえい競馬でも3歳牝馬の重賞・黒ユリ賞が行われます。こちらの予想はばんえい競馬情報局http://blog.oddspark.com/baneiinfo/でどうぞ。では、今回はこのへんで。
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