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いろいろな別れと、いろいろな出会いがある季節

  • 2010年03月27日(土) 11時59分
 あと数日で3月はおしまい。4月になると、いわゆる新年度がスタートします。いろいろな別れと、いろいろな出会いがある季節です。

 私が、テレビ東京「土曜競馬中継」(現ウイニング競馬)の実況でお世話になり始めたのが1990年(平成2年)4月。ということは、今年3月いっぱいで丸20周年、4月からは21年目に突入するわけです。兵庫の吉田勝彦さんや、netkeiba.comのコラムでもおなじみの長岡一也さん、ラジオNIKKEIの白川次郎さんといった大先輩の方々がまだまだご健在ですから偉そうなことは言えませんが、おかげさまで私も長いこと続けさせていただいております。自分にとってはアッと言う間の20年で、ついこの前に始めたばかりのような気がするんですけど…。

 netkeiba.comのデータベースで、私が「土曜競馬中継」で最初に実況したのはどんなレースだったか、調べてみました。なにしろアッという間と言っているわりには、記憶のほうはスッ飛んじゃっているもので。

 そのレースは、90年4月7日、第3回中山競馬5日目第9レース、「隅田川特別」(サラ系4歳以上900万円以下、芝1600m)だったはずです。当時の番組は午後2時25分のスタートで、データベースの発走時刻も14:25となっていますから、まず間違いありません。

 実はその前日(金曜日)、初めてのテレビ生実況に備え、早めに勝負服の塗り絵をして出走馬を暗記しようと、夕方4時頃に近くの駅の売店に競馬新聞を買いに行きました。ところが、ふだんならもう並んでいるはずの競馬新聞が全く見当たりません。売店のおばちゃんに聞くと「きょうはまだなんです」との答え。厩務員組合の春闘交渉が難航して、出走馬の確定が遅れていたらしいのです。今なら、テレビ東京のスタッフから携帯電話かメールで何らかの連絡が入るところですが、当時はそういう通信手段もなく、とにかく待つしかありませんでした。ようやく新聞を手に入れたのは7時を過ぎた頃だったと記憶しています。

 データベースによると、レースのほうはサファリオリーブという馬が勝って、単勝10440円、連複(当時は枠連のみ)23110円の大波乱だった、とのことです。これは全く記憶にありません。同馬は、その年の新潟記念を勝つことになるんですが、当然ながらその時は後にそうなるなんて思ってもいませんでしたし、ハッキリ言って夢中でレースをしゃべっただけでしたからね。

 このレースは13頭立て。サファリオリーブには石塚信広騎手、2着のワールドタイテエムには小島太騎手が騎乗していました。それから20年。13人の騎手のうち、この2人も含め7人(的場均、岡部幸雄、柴田政人騎手ら)はすでに引退しています。出走馬の馬体重を見ても、500埖罎稜呂1頭だけ、420埖罎3頭、430埖罎2頭(サファリオリーブも436圈砲い董過半数の7頭が450毀に。あらためて、時の流れを感じさせられます。

 その年は、皐月賞でハイセイコー産駒のハクタイセイが優勝。ダービーでは、皐月賞2着で中野栄治騎手騎乗のアイネスフウジンが逃げ切り、東京競馬場にかの有名な「ナカノコール」が沸き起こりました。また、暮れの有馬記念ではオグリキャップが“奇跡の復活”で引退の花道を飾り、今度は「オグリコール」が超満員の中山競馬場に響き渡ったんです。いやぁ、懐かしいですね。

 その頃、「土曜競馬中継」の司会を務めていた女性と言えば、石森かずえさん。年齢は私より下でしたが、私が実況に加わる前から司会をされていたので、番組の中では“先輩”でした。なにしろ元気でお酒も強く、周りのスタッフをグイグイ引っ張っていたような存在。まさしく番組の“顔”と言っていい女性でしたね。

 石森さんの次は松田京子さん。競馬に関しては全く予備知識がなかったようで、なかなかタイヘンだったみたいです。私もついついキツイことを言っちゃってたんですが、彼女が後に他局の大井競馬中継で司会を始めたときにはホッとしました。「あぁ、めげずに競馬を好きになってくれたんだなぁ」と思って。

 その後、女性司会の“バトン”は、横井ひろみさん(当時、テレビ東京の局アナでした)、永井美帆さん、結城未来さんを経て、番組名が「ウイニング競馬」に代わった2000年4月からは川村ひかるさんへと受け継がれます。川村さんは北野誠さんと05年3月いっぱいまで司会をされていましたので、これまでの20年間では、このコンビの時代が一番長かったことになります。

 そして、局アナの水原恵理さん&立花優美さんによる史上初の“女子ダブルス”から、水原さんの“女子シングル”、亀井京子さん(こちらも局アナ。現・日本ハムファイターズ林昌範投手夫人。萩原流行さんとのペア)と来て、一昨年の4月に、今の井森美幸さん&大竹佐知さんという、史上2組目の“女子ダブルス”体制になったわけです。こうして見ると、「ウイニング競馬」の女性司会者も入れ替わり立ち替わり、いろんな人が携わってきたものですね。

 で、もうみなさんご存知かもしれませんが、今月27日の放送をもって、大竹佐知さんが司会席を離れます。すでに東京ヤクルトスワローズの背番号1、青木宣親選手夫人となった彼女。4月から家庭に入って青木選手を支えるため、つまり寿退社するための“引退”です。元気さでは石森さんに負けないくらい、歌のうまさでは歴代ナンバーワンの彼女がいなくなるのは寂しい気もしますが、プロ野球界発展のためにも、これからの人生で頑張ってもらいたいものです。

 4月からは井森さんと後任の女性アナウンサーによる3組目の“女子ダブルス”体制がスタートします。誰に交代するか、これもご存知の方がいらっしゃるとは思いますが、ここでは内緒にしておきます。でも、新任の○○さんも、1月頃から競馬場に足を運んで競馬や司会の仕事の勉強をしてきましたから、きっと立派に務めてくれると思いますよ。みなさんもぜひ応援してください。本人に成り代わりまして、なにとぞよろしくお願い致します。

 さて、ドバイワールドCに高松宮記念、さらにはばんえい記念と、大忙しの3月最終週。私の高松宮記念の予想は「矢野吉彦の競馬日記」、ばんえい記念の予想は「ばんえい競馬情報局」をご覧ください。ではまた来週!

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テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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