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対牡馬オープン実績を参考に

  • 2010年05月10日(月) 14時10分
 ヴィクトリアマイルそのものの話ではないのだが、同じ牝馬GIということで、昨秋のエリザベス女王杯時に感じた話をひとつ書いておきたい。

 古牝馬の能力を計る際に、対牡馬戦の成績を参考にするという手法がある。特に、オープンの別定戦や定量戦で牡馬を相手に好走したことのある馬は、牝馬どうしだとさらに強い結果を出せると期待できる。

 そこで、昨年のエリザベス女王杯である。当時、「年内(09年)に牡馬を相手にしたオープン勝ち」のあった馬は何頭出走していたかご存知だろうか?

 正解は2頭。ハンデ戦だがテイエムプリキュアの日経新春杯と、クィーンスプマンテのみなみ北海道Sだった。

 そして、唯一の2着経験馬が札幌記念・2着のブエナビスタである。つまり、同年内の対牡馬オープン実績だけを参考にすれば、あの大波乱も簡単に的中することができたわけだ。

 実は私は先述の内容にレース前から気付いてはいたのだが、「ハンデ戦だし」「オープン特別じゃ」と、全く省みないまま予想してしまった。

 もちろん、このようにズバリとあてはまることがそうたびたびあるわけではない。例えば昨年のヴィクトリアマイルだと、ウオッカは過去1年以内に天皇賞・秋優勝があったが、ブラボーデイジーは対牡馬オープンの出走歴そのものがなく、ショウナンラノビアはそもそもオープン初挑戦だった。

 それでも、一応気にしておいて損はないだろう。今回はブエナビスタ(京都記念・優勝)とレッドディザイア(マクトゥームチャレンジラウンド3・優勝)がいるので穴には繋がらないが、3連単の3頭目に繋がるかもしれない。ちなみに登録馬の中では、他にアイアムカミノマゴ(09年オーロC)、ヤマニンエマイユ(08年オーロC・08年NSTオープン)、アルコセニョーラ(08年新潟記念・07年福島記念)、ウエスタンビーナス(08年春雷S)が該当馬である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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