スマートフォン版へ

オークス連対馬の母

  • 2010年05月18日(火) 12時00分
 いきなりだが、個人的な悩みの話から入らせていただきたい。

 今週はオークスだが、つい先日まで、アパパネを切る気まんまんだった。

 というのも、これまでのレースを見る限り掛かるところもあるだろうし、母ソルティビッドは1200mが限界というような短距離馬だったからである。

 血統は配合全体で判断するものであり、単に父が母がという話ではないが、それにしてもここまできっぱりした短距離馬の仔ならばしんどいだろうと思っていたのだが、落ち着いて考えると、オークス連対馬の母というのはけっこうスプリンター〜マイラーであるケースが多いような気もするのである。

 オークス馬のうち、母が中央競馬での出走歴を持ちかつ良績がマイル以下のケースをいくつか見てみよう。ブエナビスタの母ビワハイジは連対歴が1600mまで。ダイワエルシエーロの母ロンドンブリッジも同様。スマイルトゥモローの母コクトビューティーは、ダート1800mでの3着があるものの、連対はすべてダート1200mだった。

 オークス・2着馬はどうだろうか。エフティマイアの母カツラドライバーは未勝利馬だが、いちばん好走したといえる未勝利3着は芝1200mでのものだった。

 スイープトウショウの母タバサトウショウは1勝馬だが、その1勝は芝1200m。

 ローズバドの母ロゼカラーは秋華賞・3着があるものの、連対はマイル以下、1着は1200mと1400mだ。

 輸入牝馬の仔も多くサンプルは多くないが、母が守備範囲とした距離を大きく超えてオークスで連対した馬というのはけっこういるわけで、アパパネについてもいきなりばっさり切っていいというものではないのかもしれない。

 人気馬だけに厳しめのジャッジをしなければならないと思いつつ、悩むところである。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング