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人気馬の一角を崩すのは?

  • 2010年05月24日(月) 23時59分
 今年のダービーは、空前絶後の豪華メンバーということで話題になっている。

 なにをもって豪華メンバーするのかという問題はあるが、つまり勝負付けの済んでいない、そしてファンが手ごたえを感じている馬がたくさんいるということだろう。

 ただ、有力馬の頭数が多いということは、その総崩れが起きにくいということでもあり、馬券ファン、特に穴党にとっては厳しい環境でもある。

 ましてダービーは単穴がほとんど発生しないレース。リアルに望めるところとしては、上位の一角が少しだけ崩れ、そこに人気薄が入ってくることではないだろうか?

 では、その「入ってくる馬」として期待できるのはどんなタイプなのだろうか?

 過去10年のダービーで6番人気以下ながら3着以内に入った馬は10頭いる(2着2頭・3着8頭)。

 そのうち2頭は、皐月賞2着ながら人気が伸びなかったドリームパスポートとシックスセンス。ただ今年のヒルノダムールは、それほど人気薄にはならないように思える。

 ならば残り8頭を参考に……ということで改めて振り返ってみると、「重賞勝ちがある」「前で競馬をする」が共通項のように思える。

 昨年のアントニオバローズはシンザン記念勝ちがあり、皐月賞以外は好位での競馬をしていた。一昨年のスマイルジャックはスプリングS勝ちがあり、今では脚質転換しているが当時は先行タイプ。アサクサキングスも条件にあてはまる。

 ザッツザプレンティ、マチカネアカツキ、ダンシングカラー、アタラクシアは「重賞勝ち」か「先行」のいずれかを微妙に満たさないのだが、オープン特別勝ちがあったり重賞連対があったり、戦法の方では捲りを打って4角では前に取りついていたり、先述の条件には近いところがある。

 今年の候補馬はアリゼオ、ハンソデバンド、コスモファントム……とけっこう居るのでそこからの絞り込みも必要になってしまうが、穴党にとっての活路はこの辺りにしかないように思える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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