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今週もSS系が負けるとしたら!?

  • 2010年06月07日(月) 23時50分
 安田記念は、1〜3着がすべて非SS系で、SS系の人気どころは全滅という結果になった。前週のダービーではやはり非SS系が1,2着を占めるという結果になっている。

 両レースは展開が間逆だし、本来理詰めでSS系を消しにいけるとしたら上がりのかかる競馬のほうなのだと思うが、ここではややこしいことは抜きにして、「SS系が絡まない決着になった場合にはどんな血統が来るのか」ということを、エプソムCを対象に考えてみたい。

 エプソムCは東京が改修された2003年以降、SS系が[1-2-3-33]と苦戦している重賞。03、04,07年にはSS系が馬券に絡んでおらず、非SS系を狙うにはよい重賞だ。今年は登録22頭中SS系は8頭なので、数ですべてをカバーされる可能性も限定的だと言えるだろう。

 さて、ここでエプソムCはいったん横に置いて。

 今回は乱暴だが以下の段取りで話を進めていこう。

 まず、改修のあった2003年以降、東京競馬場で行われた芝の重賞を数えると、159レース。そのうち、SS系が勝ったのは63レース。

 残ったうち、SS系が2着したのは40レース。さらにそれを差し引いたうち、SS系が3着したのが18レース。それも除けると、残った38レースが、「改修以降、東京芝重賞でSS系が馬券に絡まなかったレース」ということになる。

 その38レースを対象に種牡馬成績別成績を見てみる。ふつうの基準とは検索内容が違い、そこを説明していくと長くなるのでいきなり結論を書くと、「SS抜きの重賞」で良い結果が出ているのはヴァイスリージェント系とサドラーズウェルズ系、反対にそれほどでもないのは、勝率・連対率ベースだとミスプロ系、回収率ベースだとロベルト系だ。

 ちなみにこの4系統はすべて登録馬の中に入っている。こういうネタを書いたとたんにSS系の上位独占となってしまったりするのが競馬だが、反SSで臨む方の参考になれば幸いである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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