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マーメイドSとハンデ

  • 2010年06月14日(月) 23時50分
 ハンデ戦になってからのマーメイドSは、波乱傾向にある。

 一昨年は3連単が200万円近い配当になったし、昨年と4年前も10万馬券。一番堅かった3年前でも2、5、6番人気の決着だった。

 そのように荒れている理由ははっきりしている。ハンデの重い組が走っていないからだ。

 ハンデ55キロ以上の馬はこれまで15頭が出走し、昨年リトルアマポーラが3着したのみ。これとて2番人気だったから、ファンの期待に十分応えたとは言い難い。

 しかも、ハンデ戦になってからの4年、1番人気馬はすべてこの55キロ以上組から出ていて、4頭すべて馬券の対象から外れている。

 では、55キロ以上の馬をすべて切ってしまえばいいではないか……と思うだろうが、なかなかそう簡単にはいかない。

 というのも、他の牝馬ハンデ重賞では「背負っている組」が強いからだ。

 過去10年に行われた牝馬限定のハンデ重賞(すでに終了した今年の中山牝馬Sぶんは除く)のうち、マーメイドSを除くものは16レース。そこにおいては、ハンデの重い組が優秀な成績を残している。

 さきほどと同じように55キロ以上組をまとめてみると、[12-7-6-47]で連対率26.4%(全馬平均は12.3%)。回収率は単144%・複100%となっている。

 これほど極端な結果を見ると、どちらを信じていいか悩むところだ。

 ハンデを背負う馬の解釈については、年齢、前走着順などを手掛かりにする方法がある(過去の実績で過度なハンデを背負わされていないかなどを検討する)が、そのようにしてもいまひとつ傾向は見えてこない。

 最初にトップハンデ寄りの馬が連対するまでは過去4年の傾向を尊重するほうがよいとは思うが、それにしても悩むところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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