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大きな馬体重増減はやはりマイナス

  • 2010年06月21日(月) 23時50分
 宝塚記念のデータをいろいろ見ているうちに、馬体重増減の大きな馬があまり好走していないことに気付いた。

 馬体重増減が大きいということは状態の変化が大きいということだから成績がイマイチなのも当然のことである。しかし、たいていのレースでは、ある程度の好走馬は出ているものだ。

 その中で、宝塚記念は馬体重が10キロ以上増減した馬の成績が2000年以降[0-1-2-12]と悪い部類に入る。

 単純に着度数で考えると、これは全平地GIで下から3番目。2ケタ増減馬が一番走っていないのは天皇賞春で[0-0-0-19]。次がヴィクトリアマイルで[0-1-0-8]。ヴィクトリアマイルは期間内の途中で新設されたGIなので、実質的には下から2番目だと考えてよい。

 連対率で考えると宝塚記念は6.7%となり、連対ゼロの天皇賞春、[1-0-1-24]で連対率3.8%となる高松宮記念に続く3番目の低さである。

 その他のレースも含めて俯瞰すると、やはり古馬のレースは馬体の出来上がった馬が多いため、大きな増減を不安材料と解釈してよさそうだ(ただし、冬場のレースと、休養後の叩2戦目であることが多い天皇賞秋はそれほどでもない)。ちなみに、2000年以降のGIにおいて「7歳以降で馬体重増減10キロ以上」となると[0-0-1-32]で、馬券に絡んだのは01年スプリンターズSのダイタクヤマト(2番人気)だけとなる。

 増減が大きいような馬はそもそも人気もないことが少なくないが、4〜6番人気の馬はけっこういる。ヒモ選びのうえで最後の取捨基準にする手はあるかもしれない。

 もっとも、一番恐ろしいのは、こんな話を書いた今週に限って、宝塚記念で馬体重増減10キロ以上の馬が1頭もいないというオチなのだが……。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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