スマートフォン版へ

基本に忠実に買いたいアイビスサマーダッシュ

  • 2010年07月12日(月) 23時00分
 アイビスサマーダッシュの行われる新潟芝直線1000mといえば、外枠有利が有名である。馬券戦術の基本として認識している人も多いことだろう。

 ただ、レースの中身を見ていると、初期とはジョッキーの乗り方も変わってきている。

 普通に競馬をしていたら、外枠の馬が有利になるのは自明。そこで内枠の馬は、ギャンブルだが内ラチを目指し……というのはヨーロッパの競馬。日本の直線競馬では、内枠から度胸一発ハナを奪う勢いで前に行き、可能な範囲で外に寄せていくという戦い方が広がってきているように見える。

 それが時には決まって内枠からも穴馬券が出てきている昨今だが、出走頭数が多い場合や上位クラスの場合は、いまでも外枠馬のほうが強い。

 また、これまでの成績を通算すると、現時点でも外枠馬の有利はまだ圧倒的。回収率だけでなく、勝率や連対率も外枠馬のほうが優っている(通常は少頭数レースがあるぶん、内枠の勝率・連対率が僅かに高く出る)。アイビスサマーダッシュについては外枠重視という「基本」に忠実に、3連複・3連単なら外枠3頭か外枠2頭+先行力のある内枠馬1頭という組み立てをしていきたい。

 もうひとつ、これは基本戦術として世の中に浸透しているのか私が主張しているだけなのか微妙だが、「1000直」では前走ダート出走馬が強いということも忘れてはならない。アイビスサマーダッシュでもサンアディユが大穴をあけているが、この春の開催でもスイートライラ(8番人気2着)、カルテブランシェ(8番人気1着)、リネンパズル(13番人気1着)といった馬が穴をあけている。

 ダート替わりは穴になっても芝替わりは穴になりにくいというのが馬券の常識だが、1000直だけは例外。先述したようにこれが馬券の基本として浸透しているのかどうかは定かではないが、私の中では「基本」となっている。今回は登録馬中に該当馬が少なく、しかも前走短距離となると1頭しかいないが、もし出走してくるなら、基本に忠実に、なんらかのシルシは回しておきたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング