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巴賞→函館記念、今年はいかに?

  • 2010年07月19日(月) 23時00分
 函館記念といえば、かつては「巴賞の結果が参考にならない」ということが有名だった。

 今年は巴賞が極端なペースだったし、開幕週の特別も1800mだったので、1F延長が大きなテーマとなってきそうだ。

 そこで今回は、函館芝1800m→函館芝2000mというコース替わりについて考えてみたい。

 まず、単純に函館芝2000m(2000年以降)の前走コース別成績を見てみると、前走も函館芝2000mの馬は勝率10.8%・連対率20.6%で回収率は単65%・複75%。それに対して前走芝1800m組は勝率8.0%・連対率16.8%で回収率は単76%・複82%。勝率、連対率が下がって回収率が上がるというのは、それだけ穴馬が走っているということになる。

 ちなみに函館芝2000mにおける全馬平均は勝率7.8%・連対率15.4%、回収率は単58%・複75%なので、これを基準に考えるといいだろう。

 さて、さきほどのデータには、昇級・降級が絡むケースや、休み明けが絡むケースもある。そこで、クラス変動があった馬・半年以上の休み明けだった馬を除いた場合に前走芝1800m組がどうなのかというと、勝率8.5%・連対率17.0%、回収率は単81%・複83%。カットされる馬の絶対数が少ないぶん、数字に大きな変動はない。

 では、同クラス・休み明けなしで函館芝1800m→芝2000mとなった馬を対象に、「前走着順別成績」をとるとどうなるか。

 前走1着組は[3-1-0-3]とさすがの安定味だが、馬券的なうまみがあるのは前走5〜9着あたり。とうぜん勝率や連対率は期待できないが、複勝回収率は100%を超えていて、それだけ穴を出してきたことがわかる。

 ちなみに、この条件で前走10着以下からきた馬は[1-0-0-59]。エリモハリアーが07年に巴賞11着から函館記念を勝った以外は、馬券に絡んでいない。

 1F延長による変わり身を期待すること自体は間違いではないが、程度があるということだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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