函館記念といえば、かつては「巴賞の結果が参考にならない」ということが有名だった。
今年は巴賞が極端なペースだったし、開幕週の特別も1800mだったので、1F延長が大きなテーマとなってきそうだ。
そこで今回は、函館芝1800m→函館芝2000mというコース替わりについて考えてみたい。
まず、単純に函館芝2000m(2000年以降)の前走コース別成績を見てみると、前走も函館芝2000mの馬は勝率10.8%・連対率20.6%で回収率は単65%・複75%。それに対して前走芝1800m組は勝率8.0%・連対率16.8%で回収率は単76%・複82%。勝率、連対率が下がって回収率が上がるというのは、それだけ穴馬が走っているということになる。
ちなみに函館芝2000mにおける全馬平均は勝率7.8%・連対率15.4%、回収率は単58%・複75%なので、これを基準に考えるといいだろう。
さて、さきほどのデータには、昇級・降級が絡むケースや、休み明けが絡むケースもある。そこで、クラス変動があった馬・半年以上の休み明けだった馬を除いた場合に前走芝1800m組がどうなのかというと、勝率8.5%・連対率17.0%、回収率は単81%・複83%。カットされる馬の絶対数が少ないぶん、数字に大きな変動はない。
では、同クラス・休み明けなしで函館芝1800m→芝2000mとなった馬を対象に、「前走着順別成績」をとるとどうなるか。
前走1着組は[3-1-0-3]とさすがの安定味だが、馬券的なうまみがあるのは前走5〜9着あたり。とうぜん勝率や連対率は期待できないが、複勝回収率は100%を超えていて、それだけ穴を出してきたことがわかる。
ちなみに、この条件で前走10着以下からきた馬は[1-0-0-59]。エリモハリアーが07年に巴賞11着から函館記念を勝った以外は、馬券に絡んでいない。
1F延長による変わり身を期待すること自体は間違いではないが、程度があるということだろうか。