スマートフォン版へ

オグリキャップによる経済波及効果

  • 2010年07月24日(土) 00時00分
 すみません、今週もオグリキャップのことを書かせていただきます。実は、先日、東京のFM局「J-WAVE」(81.3MHz)へ行って、オグリキャップについての話を収録してきたんです。

 毎週月〜金曜日の夜にON AIRされているニュース番組「JAM THE WORLD」の中に、「CASE FILE」というコーナーがあります。週ごとに1つのテーマを取り上げ、月〜木曜日の4回にわたって、そのテーマに詳しい人物が様々な角度から解説。金曜日にはテーマに沿って番組独自に実施したリスナーアンケートの結果を紹介するというもの。今回、オグリキャップを取り上げるにあたり、先々週の当コラムが番組スタッフの目にとまって、私にお呼びがかかった次第です。

 毎日5分ほどのショートコーナーですので、あわせて20分も話をすれば済むのですが、なにしろ1冊の本が書けちゃうくらいのドラマチックな馬がテーマ。あれこれ話したいことが山ほどあって、喋ることを生業としている私としてはお恥ずかしい限りですが、とりとめもなく小1時間も語ってしまいました。26日(月)からの放送(夜9時30分頃〜)では、当然ながら編集されたものがON AIRされるわけですが、さぁ、どういうふうにまとめてくださったんでしょうか。私自身、興味津々です。J-WAVEを聞けるエリアにお住まいの方はぜひ聞いてみてください(内容は番組のホームページでもチェックできます)。

 ところで、オグリキャップがこの世を去ってから、私は当コラムで2回、東京スポーツのコラムで1回、同馬の話を取り上げ、新潟のFM PORTと今回のJ-WAVEでも同馬について語らせてもらいました。生々しい話ですが、それによって私は原稿料や出演料を頂戴しています。これも、言ってみればオグリキャップという馬による“経済波及効果”の1つです。いったいあの馬は、日本の経済にどれだけの“効果”を波及させたんでしょうか?

 今回の番組でも話をしました(編集でカットされているかもしれません)が、中央競馬の馬券売り上げは、同馬が中央入りした1988年に初めて2兆円を突破。それが、現役最後の90年には、一気に3兆円の大台に乗りました。わずか2年で1兆円も増えちゃったんです。1兆円越え(77年)から2兆円越えまでに11年、3兆円越えから4兆円越え(97年)までに7年かかっているのに比べて、この増え方は飛び抜けています。

 この「2年で1兆円増」が、すべてオグリキャップによってもたらされたもの、とは言えませんが、同馬が大きく貢献していた、というのは異論のないところでしょう。この部分だけみても莫大な“経済波及効果”だと思います。

 日本のサラブレッドが生んだ“経済波及効果”の大きさで言えば、オグリキャップに勝る馬はいないかもしれません。あらためて、あの馬の偉大さを感じさせられました。

 J-WAVE「JAM THE WORLD」内「CASE FILE」ホームページ=http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/casefile/index.html

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング