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新潟芝1600mのラップ

  • 2010年08月02日(月) 23時00分
 JRAの最近の改修では、直線が長くなったり、外回りコースが作られたりすることが多い。

 外回りの新設ということでは阪神と新潟(ちょっと古いが)だが、この2競馬場では、マイル戦で後ろから2ハロン目が速くなるという共通項がある。

 阪神のほうは最近その傾向が薄れてきたようにも思うが、先に改修されたはずの新潟はいまだに変わらない。

 もちろん、そこには直線が長いという事情がある。新潟外回りの直線は659m。早仕掛けをしてはいけないというジョッキー心理から馬たちが脚を残した形になり、それが残り400〜200mで炸裂するがゆえではないかと推測できる。さらには平坦コースで馬に負荷がかかりにくいということも影響しているかもしれない。

 ただ、そこには問題がある。結果として残り400〜200mが速くなりすぎ、特にこのセクションを差してくる馬がゴール前止まってしまうことがしばしば見かけられるのだ。

 昨年の関屋記念は上がりが11.3-10.7-11.7だったがこれは平和なほうで、2008年などは11.0-10.0-11.9。2006年も11.3-10.1-12.1とかなり極端だった。

 東京競馬場も525.9mと十分な長さの直線を持っているが、重賞で後ろから2ハロン目が10秒台になったのは、ここ5年ほどではウオッカの勝ったヴィクトリアマイルだけである。いかに新潟では極端なラップが作られているか分かるだろう。

 馬券的には、その結果としてなにが起きるかが問題だ。個人的には、「差し・差し・先行」という組み合わせの決着が多いように感じている。実際には差しどころではなく、追い込みに近い2頭が1、2着を占め、3着に先行タイプが残る競馬が多いように思える(昨年の関屋記念がまさにそうだった)。中途半端な仕掛けをする馬は最後で沈みやすいのだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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