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重い斤量での1キロ減効果は?

  • 2010年08月24日(火) 12時00分
 今週はキーンランドCが行われ、函館スプリントS組も出走する。中でも注目されているのは、ビービーガルダンだろう。

 函館スプリントSは別定ながら59キロという不利な条件で2着。単に強いだけでなく、洋芝の鬼であるところも見せつけた。

 今回のキーンランドCは58キロだけに間違いなく勝ち負け……と感覚的には思うのだが、一応過去の例を参考にしてみよう。

 JRA-VANデータがある1986年以降、古馬の芝1200m重賞で別定ハンデを問わず59キロを背負った馬は25頭いて、[3-8-2-12]。さすがに斤量が効いているのか、勝ち切れない印象だ。

 この中にはビービーガルダンの前走も含まれているので、それを除くとのべ24頭。うち1頭は59キロのレースが引退戦だったので、残る23頭について次走の成績を見ると、

57キロ[2-2-3-13]
58キロ[0-1-0-0]
59キロ[0-1-0-1]

 前走59キロ→今回58キロという例は1頭しかおらずしかも昭和の例(セントシーザーCBC賞1着→マイラーズC・2着)なのだが、同馬にしては長い距離の1600mをこなしているあたりには1キロ減の効果も感じられる。

 57キロになった馬の成績は物足りなく見えるだろうが、回収率は単90%・複169%(エイシンワシントンのマイルCS・3着が効いている)ので、さほど悪くないとも言える。

 さすがにサンプルが少なすぎるので、話を1キロずつ下げて、前走58キロ→今回57キロというケースについても見てみよう。

 まず、58キロでの古馬芝1200m重賞の成績は[10-7-5-43]で回収率は単54%・複72%。

 その次走は57キロだと[4-4-2-25]、芝1200mに限ると[4-4-2-20]で回収率は単111%・複97%となる。

 実は58→58キロの馬も同レベルの数字を出しているので1キロ減がおいしいとまでは言えないのだが、とりあえず変に疑ってかかる必要はないということは言えるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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