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超人気薄馬が来る新潟2歳S

  • 2010年08月30日(月) 13時00分
 新コース・芝1600mになってからの新潟2歳Sでは、極端な人気薄馬が馬券に絡んでくることがけっこうある。

・2009年15番人気2着フローライゼ
・2008年15番人気2着ツクバホクトオー
・2007年16番人気2着シャランジュ
・2006年11番人気2着マイネルーチェ
・2003年10番人気3着アウトディスタンス

 これらは皆、「人気はなかったが実は強かった」というタイプの馬ではない。古馬になってからそれなりに走っている馬はいるが、新潟2歳Sのあと、2〜3歳時の成績はむしろいまひとつ。シャランジュのアネモネS・2着があるくらいだ。

 できればこういう馬を馬券で捕まえたいものだが、そのためには手掛かりを探す必要がある。最初に気付くのは新潟2歳Sでの位置取りだ。通過順で見るとフローライゼは14-16、ツクバホクトオーは9-9、シャランジュは18-18、マイネルーチェは6-4、アウトディスタンスハ16-15。マイネルーチェ以外は馬群の後ろ半分。5頭のうち3頭はかなり後方からきている。

 さらに、こういうタイプの激走は、2ハロンめと7ハロンめ(後ろから2ハロンめ)の両方が速い年に起きやすいということも言えそうだ。

 良馬場で2ケタ人気馬の激走がなかった2002年と2004年は、2・7ハロンめの片方だけが10秒台。それに対し激走があった年は、不良馬場だった08年以外の4回すべて、2・7ハロンめが10秒台。08年にしても不良馬場で2ハロンめが10.6秒、7ハロンめが11.1秒だから、良馬場なら条件を満たしていただろう。

 ラップに起伏があってかつ速いところが極端に速いというレースになると、勝負に色気のある馬が中途半端に勝ちに行って最後はタレてしまい、無欲の差し・追い込みが届くのではないかと筆者は推測している。どの人気薄馬を買ったらいいのか、という一番肝心なところについてはなんとも手掛かりがないのだが、とりあえず「荒れるつもりで人気薄馬を取り入れよう」ということだけは言えると確信している。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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