今週からいよいよ秋競馬。中山・阪神の開幕となる。
中山・阪神に限らず、開幕週というとよく言われるのが「逃げ馬有利」。フレッシュな馬場の内ラチ沿いを走った馬は止まりにくい、というわけだ。
しかし、逃げ有利を皆が意識すれば逃げ馬に対するプレッシャーも強くなるはずだし、逃げ志願の馬も増えてくる。実際のところはどの程度効果があるのか? いわゆる脚質としての逃げではなく、「実際に逃げた馬」を対象に考えてみる価値はありそうだ。
今回は、京成杯AHが行われる中山芝1600mをサンプルにデータを見てみよう。
2000年以降、10年強の間に行われた中山芝1600mのレースは598レース。その脚質別成績で見ると、逃げた馬(逃げ脚質という意味ではなく、実際に逃げた馬。2頭雁行や先頭が入れ替わった場合には2頭以上カウントされることもある)の成績というのは[121-93-58-467]で勝率16.4%・連対率29.0%、回収率は単165%・複131%である。
そのうち、秋開催の開幕週(変則開催だった2000年と2002年は除く)に限定すると、逃げた馬の成績は[8-8-2-16]で勝率23.5%・連対率47.1%、回収率は単247%・複162%で、確かに通常よりも高い水準をキープしている。
ただ開幕週のほうはだいぶサンプル数が少ないので、1600mの次に施行レース数の多いコースをあと2つ見ておこう。
着度数は省略するが、芝1200mは逃げ馬の総合成績が勝率21.3%・連対率36.1%、回収率が単133%・複135%。一方で秋の開幕週は勝率25.8%・連対率48.4%、回収率が単141%・複186%。
芝2000mは総合が勝率15.1%・連対率29.4%、回収率が単241%・複130%。秋の開幕週は勝率23.1%・連対率46.1%、回収率が単337%・複172%。
3コースとも、秋の開幕週は逃げた馬の成績がかなり良いという結論になる。逃げる馬というのは常に馬券で重視すべきでもあるのだが、今週は特に意識したほうがよさそうだ。