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開幕週の逃げ馬は本当に強い!?

  • 2010年09月06日(月) 00時00分
今週からいよいよ秋競馬。中山・阪神の開幕となる。

 中山・阪神に限らず、開幕週というとよく言われるのが「逃げ馬有利」。フレッシュな馬場の内ラチ沿いを走った馬は止まりにくい、というわけだ。

 しかし、逃げ有利を皆が意識すれば逃げ馬に対するプレッシャーも強くなるはずだし、逃げ志願の馬も増えてくる。実際のところはどの程度効果があるのか? いわゆる脚質としての逃げではなく、「実際に逃げた馬」を対象に考えてみる価値はありそうだ。

 今回は、京成杯AHが行われる中山芝1600mをサンプルにデータを見てみよう。

 2000年以降、10年強の間に行われた中山芝1600mのレースは598レース。その脚質別成績で見ると、逃げた馬(逃げ脚質という意味ではなく、実際に逃げた馬。2頭雁行や先頭が入れ替わった場合には2頭以上カウントされることもある)の成績というのは[121-93-58-467]で勝率16.4%・連対率29.0%、回収率は単165%・複131%である。

 そのうち、秋開催の開幕週(変則開催だった2000年と2002年は除く)に限定すると、逃げた馬の成績は[8-8-2-16]で勝率23.5%・連対率47.1%、回収率は単247%・複162%で、確かに通常よりも高い水準をキープしている。

 ただ開幕週のほうはだいぶサンプル数が少ないので、1600mの次に施行レース数の多いコースをあと2つ見ておこう。

 着度数は省略するが、芝1200mは逃げ馬の総合成績が勝率21.3%・連対率36.1%、回収率が単133%・複135%。一方で秋の開幕週は勝率25.8%・連対率48.4%、回収率が単141%・複186%。

 芝2000mは総合が勝率15.1%・連対率29.4%、回収率が単241%・複130%。秋の開幕週は勝率23.1%・連対率46.1%、回収率が単337%・複172%。

 3コースとも、秋の開幕週は逃げた馬の成績がかなり良いという結論になる。逃げる馬というのは常に馬券で重視すべきでもあるのだが、今週は特に意識したほうがよさそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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