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中山実績はアテにならない!?

  • 2010年09月14日(火) 11時00分
 中山競馬場には独特の巧者がいる、というのが私の持論である。

 最近ではマツリダゴッホが有名だが、今週のセントライト記念を含めて中山の重賞だけやけに強い、という馬が少なからず存在する。

 有馬記念では毎年この理屈から本命馬を決めている私だが、セントライト記念の場合は出走各馬のキャリアが浅いため、「中山重賞」を参考にしようにも限界がある。

 そこで、新馬や未勝利まで含めた「セントライト記念以前の中山芝実績」を参考にしてみたらどうなるか? ということを考えてみた。

 まず、過去10年のうち中山で行われた9回のセントライト記念1〜3着馬を集めて、それ以前の中山芝成績をとる。クラス別に着度数を表すとこんな感じ。

新馬[2-0-1-1/4]
未勝利[2-2-0-4/8]
500万下[3-5-3-4/15]
OPEN特別[1-2-1-1/5]
重賞[3-4-1-12/20]

 トータルでは連対率46.2%。回収率は単85%・複100%。重賞が多少連対率を下げており、重賞以外だと53.1%。

 一方、「セントライト記念で1〜5番人気だったのに4着以下だった馬」(この条件でさきほどと同じ27頭になる)はどうだろうか?

新馬[3-1-1-0/5]
未勝利[4-1-2-1/8]
500万下[4-3-1-3/11]
1000万下[0-1-0-0/1]
OPEN特別[1-0-1-1/3]
重賞[2-2-3-8/15]

 ざっと見て分かるだろうが、こちらのほうが少し成績が良いのだ。連対率は51.2%(重賞以外は64.3%)、回収率は単173%・複139%。

 やはり「中山重賞」とは「中山の一般戦」では事情が違うということだろうか。とりあえず「中山に実績があるから」という考え方は危険なようである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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