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逃げ先行タイプの多いスプリンターズS

  • 2010年09月27日(月) 00時00分
 今年のスプリンターズSは逃げ・先行タイプが多いメンバー構成になった。

 ハナへ行く候補だけでもローレルゲレイロとヘッドライナーに加え、ウルトラファンタジーもいる(同馬はハナに行けないとぐだぐだになるタイプなので、主張してくるだろう)。ウエスタンビーナスあたりが好スタートを切ったりすると、さらに話はややこしくなる。

 一般的には逃げ馬が多い→ハイペース→差しが決まると考えられているが、過去のスプリンターズSではどうだったのだろうか?

 GIになってからのスプリンターズS(12月時代を含む)で、「前走逃げていた馬」が最も多かった年(外国馬はデータが無いので勘定に入れない)は、1993・1994・1995年でそれぞれ4頭。93年と95年は人気上位3頭で決まっているので影響が分かりづらいが、94年は5番人気ビコーペガサスが道中10番手から2着、13番人気キョウエイキーマンが道中8番手から3着しているので、ある程度差し馬有利と言えなくもない。

 いまの時期に移ってからだと、2001年と2003年の3頭が最高。それぞれトロットスターとデュランダルが勝っているので単勝には差し・追込馬が来たことになるが、人気サイドの先行馬は馬券に絡んでいる。

 一方で、もうひとつ考えなくてはならないことがある。例えば今年でいうとヘッドライナーは前走道中2番手なので「前走逃げた馬」にはカウントされない。これを考慮する必要もありそうだ。

 そこで、「過去3走以内に芝1400m以下で逃げたことのある馬」という条件にすると、スプリンターズSに最もたくさん出走していた年は2003年で6頭。いまの時期になってからだと既に触れた2001年と、あと2005年・2007年が4頭でそれに続く。

 2005年は人気サイド決着だが2、3着が追い込み。2007年は前に居た馬3頭で決まっている(ただし不良馬場なので評価は難しい)。

 こうやって書いていくと話が混乱するばかりだが、全体的に見た印象としては、逃げタイプの多い年はちょっとだけ差し・追込馬が有利、しかし人気サイドの先行馬は否定しすぎないほうがよい、という感じだろうか。雨が降ったりするとまた話が変わるのでご注意いただきたいが……。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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