除外取りとおぼしき馬もいて若干カオスな感じになっている毎日王冠だが、一方で安田記念組やダービー組も集まり、格式のあるGIIらしいメンバーにもなっている。1800mというのは極端な短距離馬や極端な長距離馬でない限り走れる距離であり、それが例年好メンバーを集める理由でもあるのだろう。
しかし、走れるというのと良い結果が出るというのはまた別な話である。ファンの側も、コースにフィットする馬を見極めなければならない。
まずは単純に、毎日王冠(コース改修のあった2003年以降、データは以下同様)の前走距離別成績(前走芝のみ)ということで見てみると、前走1800m・2000m組が不振で1600m・2200m組が強いということになっている。
お察しの通り、これは安田記念と宝塚記念の存在が大きく影響している。ある意味、適性よりも能力レベルがものを言うところがあるのだろう。
ただこれだけでは話が不毛なので、もうひとつ、東京芝1800m戦全般について前走距離別成績を調べてみることにした。
主要(前走)距離ごとの成績(勝率・連対率・複回収率)はこちら。
1400m[3.7-11.6-55]
1600m[8.6-16.6-63]
1800m[7.5-15.8-74]
2000m[8.3-16.0-73]
2200m[9.0-18.0-91]
2400m[8.5-15.9-67]
1400m以下からだと厳しいが、1600m以上については見事なまでに似たレベルだ。2200m組がやや良いように見えるが、サンプル数が少ないぶん、毎日王冠における宝塚記念組が強く作用した結果である。
こうしてみると、このコースはやはり「適性より力」で合っているようにも思える。下手に考えすぎるよりも、初心者に戻ったつもりで素直に予想するほうがいいのかもしれない。