枠順が出る前の今だからこそ、先に書いておきたいことがある。昨年以前の菊花賞を予想する上でもファクターとして重視はしていたのだが、内枠有利という傾向についてだ。
昨年の菊花賞がまさに内枠決着だったが、それ以前からこのコースは内が明らかに有利だった。
平成以降という長い期間で見た場合、枠番ごとの勝率・連対率・単複回収率は次のようになっている。
※上段は枠番、勝率、連対率。
下段は単回収率、複回収率の順。
1枠[7.9%-15.8%]
[157-101]
2枠[9.5%-14.3%]
[81-57]
3枠[4.9%-12.2%]
[13-58]
4枠[9.5%-19.0%]
[73-93]
5枠[4.7%-7.0%]
[34-44]
6枠[0.0%-4.7%]
[0-58]
7枠[3.4%-10.3%]
[11-47]
8枠[7.0%-10.5%]
[171-53]
まずおおまかに言って内半分を重視する必要があり、次いで1枠に脈のありそうな穴馬が入ったらそれに期待する、というのがよさそうだ。
ただ、1枠、あるいは「内半分」が昔から強かったわけではない。
昭和の時代には、ミナガワマンナやスーパークリークなど外枠からもよく優勝馬が出ていたし(ミナガワマンナは今では存在しない19番枠)、優勝馬が外半分から出ることはむしろ自然だった。
年イチの条件なのでなんとも言えないが、昔に比べて内ラチ沿いが傷みにくくなったことと、騎手の意識が高くなったこと(外回りは内が開くというのが常識になった)が原因にあるように思う。
ちなみに、菊花賞以外の京都芝3000m(万葉Sや昔のドンカスターS、嵐山S)は平均出走頭数が菊花賞より少ないにも関わらず、同様に「内半分のほうが有利」という傾向が出ている。さらにこちらも、1990年代の終わりごろからその傾向が強まってきているように見える。