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菊花賞と枠順

  • 2010年10月18日(月) 00時00分
 枠順が出る前の今だからこそ、先に書いておきたいことがある。昨年以前の菊花賞を予想する上でもファクターとして重視はしていたのだが、内枠有利という傾向についてだ。

 昨年の菊花賞がまさに内枠決着だったが、それ以前からこのコースは内が明らかに有利だった。

 平成以降という長い期間で見た場合、枠番ごとの勝率・連対率・単複回収率は次のようになっている。

※上段は枠番、勝率、連対率。
下段は単回収率、複回収率の順。

1枠[7.9%-15.8%]
[157-101]
2枠[9.5%-14.3%]
[81-57]
3枠[4.9%-12.2%]
[13-58]
4枠[9.5%-19.0%]
[73-93]
5枠[4.7%-7.0%]
[34-44]
6枠[0.0%-4.7%]
[0-58]
7枠[3.4%-10.3%]
[11-47]
8枠[7.0%-10.5%]
[171-53]

 まずおおまかに言って内半分を重視する必要があり、次いで1枠に脈のありそうな穴馬が入ったらそれに期待する、というのがよさそうだ。

 ただ、1枠、あるいは「内半分」が昔から強かったわけではない。

 昭和の時代には、ミナガワマンナやスーパークリークなど外枠からもよく優勝馬が出ていたし(ミナガワマンナは今では存在しない19番枠)、優勝馬が外半分から出ることはむしろ自然だった。

 年イチの条件なのでなんとも言えないが、昔に比べて内ラチ沿いが傷みにくくなったことと、騎手の意識が高くなったこと(外回りは内が開くというのが常識になった)が原因にあるように思う。

 ちなみに、菊花賞以外の京都芝3000m(万葉Sや昔のドンカスターS、嵐山S)は平均出走頭数が菊花賞より少ないにも関わらず、同様に「内半分のほうが有利」という傾向が出ている。さらにこちらも、1990年代の終わりごろからその傾向が強まってきているように見える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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