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天皇賞秋と東京実績

  • 2010年10月25日(月) 00時00分
 以前にも同種の原稿を別レースについて書いたことがあるのだが、今回は天皇賞秋に出走する馬たちを東京実績で評価していいのかどうか、ということについて考えてみたい。

 まず、東京で行われた過去10回の天皇賞秋(中山で行われた年を除くので、11年前までとなる)で1〜3着した馬がそれまでに走っていた重賞競走の場別成績(中央場所のみ)は以下の通り。

※データ上段は、競馬場、着度数、
下段は、勝率、連対率の順。
東京[26-17-6-42/91]
[28.6-47.3]
中山[21-9-14-15/59]
[35.6-50.8]
京都[20-20-6-34/80]
[25.0-50.0]
阪神[30-13-6-22/71]
[42.3-60.6]

 この集計は、対象となる天皇賞秋で2回以上馬券に絡んだ馬を2頭3頭と別馬扱いにしているので、同一馬の同一レースは一度しかカウントしないということにすると、このようになる。

東京[23-14-5-35/77]
[29.9-48.1]
中山[18-6-11-13/48]
[37.5-50.0]
京都[16-15-4-28/63]
[25.4-49.2]
阪神[22-11-6-19/58]
[37.9-56.9]

 いずれにしても、東京は連対率で最下位。天皇賞秋そのものが含まれていない(複数回馬券に絡んだ馬の、2回目3回目から見て過去レースとなる場合は含まれている)とはいえ、ちょっと意外でもある。

 一方、天皇賞秋で1〜3番人気に推されながら4着以下だった馬が、それより前に走っていた重賞の競馬場別成績(重複カウントなし)はこちら。

東京[12-11-6-29/58]
[20.7-39.7]
中山[13-13-6-25/57]
[22.8-45.6]
京都[18-13-6-26/63]
[28.6-49.2]
阪神[11-7-10-14/42]
[26.2-42.9]

 差は小さくなるが、こちらも東京が一番下になっている。
実際には平均出走頭数が調整しないといけないので、東京実績のある馬が悪いというわけではない。しかし、東京実績がアテになるかというと、そこまでは言えないように見える。逆に言えば、他場でばかり実績をあげてきた馬でも気にせず買っていいということだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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