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アルゼンチン共和国杯の前走条件戦組

  • 2010年11月02日(火) 10時00分
 アルゼンチン共和国杯の過去10年を振り返ると、前走で条件戦を走っていた馬が勝率・連対率とも前走オープン組を上回っている。

「さすがハンデ戦だ!」「上がり馬買うべし!」という気分になってしまうが、最近の「昇級連対馬」がアドマイヤジュピタ、スクリーンヒーロー、ジャガーメイル、アーネストリーといった面々であることを考えると、「たまたまGI級の馬がここを足場にすることが多かっただけでは!?」という心配も出てくる。

 そこでまず、11〜20年前の10年間を見てみよう。すると、この期間においても前走条件戦組は前走オープン組を勝率・連対率で上回っている。しかもその期間の「前走条件戦&アルゼンチン共和国杯連対」に該当する馬で、その後GIで連対を果たした馬はいない(最高でムッシュシェクルの天皇賞春3着)。

 これだけを見ると、「とにかく前走条件戦組が強い」ともとれる。

 ただ、年齢別成績で見ると昔と今では違いがある。過去10年の前走条件戦組はトータルで[4-4-4-29]なのだが、そのうち3歳が[0-1-1-4]、4歳が[4-3-1-5]で5歳以上は[0-0-2-20]と連対が無い。

 一方で11〜20年前はそもそも6歳以上の前走条件戦組はほとんど出走しておらず、トータル[3-5-2-15]に対して5歳馬が[2-2-0-3]と、5歳馬が3、4歳馬よりも優秀な結果を残している。

 これを見ると、やはりなんらかの変化はあると考えるほうが妥当のようにも思える。「遅れてきた大物」タイプ、なるべく若くて近走の成績にキズが無いことがベターということだ。最近は前走条件戦組が人気になるので、ある程度厳しい選り分けをする必要もある。

 今年は前走条件戦組の登録が少ないようだが、「前々走まで条件戦を走っていた馬」「3走前まで条件戦を走っていた馬」を評価する際にも、同じ要領を用いてよいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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