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牝馬の世代レベル差

  • 2010年11月09日(火) 00時00分
 エリザベス女王杯では本命党がアパパネを信じ、穴党は上の世代に期待するという構図になるだろう。

 このエリザベス女王杯に限らず、異なる世代のレベルを比較することは難しい。その昔大橋巨泉氏が有馬記念予想に世代比較論を持ち込んで以来その種の議論は盛んだが、では実際に馬券にどう生きるのかというところは見出されずにいる。

 それをここでいきなり解決することはできないが、「実際に世代格差というのはあるのか」ということを考えてみたい。方法として正しいかどうかは分からないが、今回試験的に考えてみたのが次の方法だ。

 ・既に評価がほぼ確定している現7歳世代から11歳世代までの5世代が対象

 ・古馬の牝馬重賞に出走したケースと、古馬平地重賞全般に出走したケースについて1走あたり賞金を比較

 この5世代が古馬重賞を走っている期間というとおおむね過去7年以内なので、その間に大きな賞金変動も無い。

 まず古馬平地重賞全般についてはこちら。

※データは年齢、勝率、1走あたり賞金の順。
現7歳(2003年産) 6.3% 643万円
現8歳(2002年産) 5.8% 519万円
現9歳(2001年産) 7.0% 770万円
現10歳(2000年産) 9.8% 857万円
現11歳(1999年産) 2.8% 379万円

 続いて、牝馬重賞に限るとこちら。

現7歳(2003年産) 7.5% 707万円
現8歳(2002年産) 5.5% 512万円
現9歳(2001年産) 8.7% 726万円
現10歳(2000年産) 8.7% 800万円
現11歳(1999年産) 3.6% 409万円

 こうして見ると、やはり世代のレベル差というのはあるように思える。ではどの世代のレベルが高いのかというのが分からず、さらに3歳世代と古馬の比較、3歳の中で突出した馬と古馬の比較……となるとどんどん分からなくなるのだが、上記の結果からして、今回のようなケースで「ダメもとで古馬に賭けてみる」というのはひとつの選択肢であるとは言えるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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