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ステイヤーズSと騎手

  • 2010年11月29日(月) 00時05分
 今週行われるG1、JCダートはどう頑張ってもデータ不足(昨年から阪神)なので、ステイヤーズSについて書いてみようと思う。

 ステイヤーズSのような極端な条件になると、どうしても長距離適性を手掛かりに予想したくなるもの。しかし、そもそも長距離適性のある馬でなければわざわざこのレースには出てこない。一方で、近走それほど長距離にこだわっていなかった馬がひょっこり穴になってしまったりもする。昨年のゴールデンメイン(13番人気2着)はその究極で、それまでの3走が1600→1800→2000m。血統を手掛かりにしても買うのは難しい。だからこそ大穴になったわけだが。

 ではなにかいい切り口は無いものか……と考えていて、ふとひとつのことに気付いた。

 それは騎手別成績である。

 過去10年、外国人騎手が乗った馬の成績は[4-2-2-8]で、回収率は単46%・複257%。単回収率がやけに低いが、これは4勝がすべて1番人気だったことによるもの。一方複回収率は04年にボニヤが13番人気3着で稼ぎ出したものである。

 続いて関西の騎手はというと、[0-3-4-15]とこの10年勝っていない(別定になってからは河内騎手がメジロブライトで勝ったのみ)。その代わり複勝の中穴をけっこう出している。

 最後に残った関東騎手は[6-5-4-68]。このままだと複回収率は100%を欠けているのだが、関西馬に騎乗したケースでは[4-3-3-22]の単235%・複120%となってくる。

 このレースでは関西馬が非常に強いので、そこに関東騎手という組み合わせ(乗り替わりかどうかは問わない)の馬がいれば最初にチェックしてみたい。それに続くのが外国人騎手か。ゆったりした流れになりやすいレースなので、欧州の騎手には乗りやすい条件かもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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