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名牝を選ぶ、阪神JF

  • 2010年12月06日(月) 00時00分
 ご存知のように、阪神コースは2006年秋から大きくリニューアルされた。

 阪神ジュベナイルフィリーズも外回りコースになってレースの性格が変わったわけだが、能力検定としては非常によく機能しているといっていいだろう。なにしろそれ以降の優勝馬4頭はいずれも3歳以降にもGIを勝っており、トールポピーは微妙だが他の3頭は競馬史に残るというレベルの実績を残している。

 そこで今回は、その4頭を改めて振り返り、似たタイプの臨戦過程で来ている馬はどれか? ということを考えてみたい。

 まずこれまでの4頭は、阪神JFに臨む前にいずれも敗戦を経験している。ただ、牝馬の後塵を拝したことはない。もちろん勝ちっぱなしで来て悪いということはないが、牡馬相手に負けている(あくまで2、3着という意味だが)と、人気がヒートしにくいぶん馬券上の魅力は増すかもしれない。事実、過去の優勝馬4頭のうち1番人気だったのはブエナビスタだけだ。

 続いて、これまでの4頭は阪神JFに臨む前に1600m未満の距離に使われたことはない。一方で1回は1800m以上のレースを走っている。4頭すべてがオークスかダービーを勝っているわけであり、「1600m未満を使うなんて考えもしなかった」というタイプであることが必要なのかもしれない。

 3つめは、前走で差す競馬をしているということだ。ウオッカの黄菊賞5番手〜4角2番手というのがいちばん積極的なレース運びで、他の3頭の前走はもっと後ろからだった。

 これらを適用していくと、例えばダンスファンタジアはデビュー戦が1400mというのがひっかかってくる。目をつぶるならレーヴディソールの初戦1500m(札幌にはマイルの設定が無い)のほうにつぶったほうが良いように思える。

 一方、「ちょうどいい条件の満たし方」をするのはアヴェンチュラだ。1600mと1800mを走り、1着と牡馬の2着。前走は差す競馬でもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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