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朝日杯の前走500万条件組

  • 2010年12月14日(火) 11時00分
 今年の朝日杯には前走500万条件組がけっこう登録していて、しかも人気になりそうな馬もいる。

 しかし、これまで朝日杯における500万条件組というのは結果を出せずにいた。

 過去10年、前走で500万条件を走っていた馬の成績は[0-1-1-38]。昨年はダイワバーバリアンが3着したがこれは貴重なケースで、その前は05年にスーパーホーネットが2着しただけ。これが10年間で馬券に絡んだすべての例だ。

 ちなみに、40の出走例のうち前走を勝っていたケースは30で、つまり[0-1-1-28]。1勝のあと500万条件で負けていた馬(今年の想定では出走できない予定)は全くのノーチャンスで、前走で2勝目をあげた馬なら少しチャンスはあるが、それでも有望とは言えないということになる。

 ちなみに、「11年前〜20年前」の10年間で見ると、[1-3-5-28]。前走を勝ってきた馬に限定すると[1-3-4-21]。こちらは直近10年よりはマシだが、勝ったのはミホノブルボンだけである。「過去20年間」という前提で単勝回収率を計算すると、なんと1%になってしまう。

 となると、今年人気になるかもしれない「前走500万条件組」もダメなのか!? ということになるが、ここでフォローするとしたら、ここ10年はたまたまこの組にいい素材が集まらなかったという可能性もある。

 11年前〜20年前は、フルゲートの半分に相当する8番人気以内になった馬の複勝回収率は115%と決して悪くはなかった。直近10年は8番人気以内になった馬(計15頭)の複勝回収率が40%だからほめられたものではないが、全馬平均も51%(つまり堅い決着が多い)なので、大差がないと言えなくもない。……と書きつつも苦しいような気はするが。

 今後の朝日杯を占う上でも、今年の500万条件組がどのような走りをするのか注目したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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