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2010年の高回収率騎手・種牡馬

  • 2010年12月28日(火) 14時00分
 今回は2010年を振り返るという形で、勝手に高回収率だった騎手と種牡馬を表彰(?)してみようと思う。2010年の平地競走全競走を対象し、そこで高回収率だったのは誰かという話である。

 まずは騎手部門。2010年の平地競走に騎乗した騎手は239人(地方・外国人含む)いるのだが、「規定打数」を100騎乗にすると99人と半数弱になる。

 その99人のうち、回収率が単複とも100%を超えているのは池添、柴田大、大野の3人だが、さらに勝率・連対率が全体の平均を上回っている騎手となると池添(単156%・複103%)しかいない。騎乗数が734と多い中でのこの数字は立派。文句なしの「最優秀回収率騎手」だ。

 中身を見ると単勝2万馬券が2発あるのだが、それを無かったことにしても回収率は単複ともに90%台。かなり優秀だ。

 「特別賞」はデムーロ騎手と川須騎手。デムーロ騎手はあれだけ注目される立場でありながら単140%・複98%。川須騎手は単勝10倍以下(=大穴一発で回収率を伸ばせない)という条件下で単168%・複133%と好成績をあげた。新人賞のような意味も込めて「表彰」しておきたい。

 続いて種牡馬。こちらは規定打数を200とし、64頭の種牡馬が対象となる。

 複勝回収率トップ+単勝回収率もプラス+勝率連対率が平均値超えで、文句なしの「最優秀回収率種牡馬」に輝いたのがサウスヴィグラス。回収率は単122%・複115%だった。

 簡単に想像がつくように、サウスヴィグラスはダートに限定すればさらに数値が良くなる。2011年も役に立ちそうな種牡馬だ。

「特別賞」はアグネスデジタルとチーフベアハート。

 アグネスデジタルは勝率・連対率がほぼ平均値なみで、回収率は単複ともに104%。十分優秀なのだが、サウスヴィグラスの成績が良すぎたため次点的な存在になった。チーフベアハートは「単勝10倍以下、50出走以上」という条件で複勝回収率トップ(105%)。単回収率も108%だった。定番の穴種牡馬であり、2011年も期待したい。

※次回の更新は1月11日になります。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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