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AJC杯の登録馬を見て

  • 2011年01月17日(月) 00時00分
 AJC杯の登録を見てちょっと驚いた。登録が全部で12頭、そのうち4頭は前走で条件戦を走っていた馬である。一方で、前走オープンで馬券に絡んでいた馬は1頭だけ。そのコスモファントムと、前々走で重賞を勝っている2頭がいたのでかろうじて格好はついたが、見方によってはオープン特別かハンデGIIIかという感じだ。

 AJC杯はもともと頭数が集まりにくい重賞で、スダホークやミホシンザンが勝った年は6頭立てだった。しかし最近は競走馬の稼働率が上がったり長持ちする高齢馬が増えたこともあり、1998年以降は2ケタの出走数をキープし続けてきた。それと比べて登録段階で既に12頭というのは、今年がかなり特殊な状況であることをうかがわせる。

 では、過去に似た年度があったかどうかを調べてみよう。まずは、前走条件戦組の出走数。今回登録の4頭がすべて出るかどうかは微妙なところだが、仮に揃って出走すると、2002年以来のこととなる。しかもこの2002年は、前走条件戦組のワンツー(フサイチランハートとスパークホーク)だった。

 一方、前走オープン組で馬券に絡んでいたのは先述した通りコスモファントムだけ。前走掲示板まで対象を広げてもトーセンジョーダンしかいない。

 このような年は過去にあったのか? 「前走オープン1〜5着馬の数」という条件で調べてみた。

 結果、2頭という年は平成以降に1回あり、それどころか1頭という年もあった。

 2頭だったのは2001年。そのうちの1頭、ロードプラチナムが2着している。1頭だったのは2006年、その1頭であるフサイチアウステルが2着をキープしている。

 直近の内容が結果に繋がっている、と考えれば素直に受け容れられる結果だ。前走条件戦組がどれだけやれるのかと同時に、こちらの行方も見守りたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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