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斤量差は小さいが……

  • 2011年01月24日(月) 00時00分
 京都牝馬Sは別定戦。4歳馬52キロ、5歳馬53キロで、収得賞金1600万円ごとに1キロが加えられる(カク外についてはこれとは別にグレード別定的に決められるが、今年は不在)。

 別定戦だとあまり斤量を気にしないという人が多いだろうし、まして今年は上下の幅が小さい。しかし落ち着いて考えてみると、勢いのある昇級馬がお得な斤量で出走したり、反対に「昔の名前で出ています」というタイプが損をしたりということはありうる。

 そのニュアンスをどう調べたらよいか。牝馬どうしだから4歳と5歳以上だけを分けて斤量別成績を取ればいいように見えるが、実は2008年のように別定条件が違う年もあり、過去10年をそのまま見ると微妙に間違いが起きてしまう。

 そこでまず、いちばん単純なところで「全馬買い時の回収率」を見てみよう。結果は、単勝55%・複勝67%。一見して分かるように、かなり堅いレースだ。単勝50倍以上で馬券に絡んだ馬も1頭(しかも3着)しかいない。

 となると、多少斤量を背負ってもファンがよく知っている格上組のほうが良いのか……と見えるが、前走クラス別成績という形で見ると、いちばん各種指標の数値が良いのは前走準オープン組である。[3-3-1-13]で連対率30%、回収率は単複ともプラス。勝ってきた馬に限定すると[3-1-1-4]で迷わず買っていいレベルだ。

 単純に勝率や連対率だけだと、「オープン組の中には既にピークを過ぎている馬もいるから」という風にも考えられる。しかし個別の馬を見ても、格より勢いを重視したほうが良い印象だ。前走オープン組についても、掲示板に載ってからここへきた馬が優勢で、大敗組の巻き返しは難しい。一方でオープン好走組は確実に人気になってしまうわけで、そういう意味でも準オープン好走馬に注目する価値はあるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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