先週の原稿で「過去10年、3歳牡馬1〜4月の重賞で前走500万条件2着以下の馬は1勝もしていない」と書いたとたん、トーセンラーに12年ぶりの優勝(前回はナリタトップロード)を果たされてしまった。
懲りずに、今回も臨戦過程の話でいこう。今週の共同通信杯とクイーンCで目立つのが、前走で新馬・未勝利を勝ったばかりの馬である。
もちろん、このタイプは該当例が多いこともあり、いきなり重賞を勝つ馬も出ている。「過去10年、3歳1〜4月の重賞(今回は牝馬限定戦も含む)」に新馬・未勝利を勝ちたての状態で出走した馬の成績は[11-15-20-318]。回収率が単60%・複81%だから積極的に買うべしというわけではないが、馬券に絡んだ馬の絶対数そのものはある。
ちなみに牝馬重賞に限ると、成績は[4-6-9-159]。回収率は単73%・複84%だから、こちらもぼちぼちというところか。
要するに買えでも買うなでもない中途半端な話だが、ここからさらに「買えるパターン」を抽出する方法はあるだろうか?
ひとつ注目したいのは、何戦で勝ち上がってきたかということだ。
一般的なイメージではデビュー勝ちを収めてきた馬が偉いように思えるが、キャリア1戦馬(折り返し抜き、新馬緒戦を勝ってきた馬)の成績は[1-6-5-84]で、1頭しか勝っていない(05年アーリントンCのビッグプラネット)うえに、人気になる馬が多いので複勝回収率は33%しかない。
一方キャリア2戦目以降は、
※[ ]内は勝率、連対率、単回収率、複回収率の順
2戦[3.2-7.4-11-109]
3戦[4.7-7.8-85-116]
4戦[8.5-12.8-327-154]
5戦[0.0-4.0-0-36]
6戦[0.0-0.0-0-36]
となっていて、2戦→3戦→4戦と馬券上の価値が増し、5戦以上になるといきなり「あなた勝ち上がりまで時間かかり過ぎでしょう」ということになっている。
ある程度の早さで勝ち上がるだけの地力と、負けたレースを含めての経験値。まとめるならば、その両方をほどよく持っている馬が良いということになりそうだ。