スマートフォン版へ

芝スタートの影響は?

  • 2011年02月15日(火) 00時00分
 今年のフェブラリーSはエスポワールシチーなどが不出走のため、いわゆる「大駒」は限られる。

 おそらく人気はトランセンドだろうし、私自身、あえてややこしく考えずトランセンドでいいのかもしれないとも思う。ただ、ひとつだけ不安材料を挙げるとしたら芝スタートの東京芝1600mコースだ。

 トランセンドがこのコースに出走したのは09年の武蔵野S。当時は本格化前だが、3番人気で6着と敗れている。同馬が芝スタートのレースに出走したのはこれひとつだ。

 こういう適性を種牡馬別成績で評価してしまってよいのかどうかは分からないが、ワイルドラッシュ産駒が「芝スタートのダート戦」に出走したケースと、スタートからダートのダート戦に出走したケースでは、次のようになっている(マル外・持込馬として出走したケースは含まず)。

※[ ]内は勝率、連対率、単回収率、複回収率の順

芝スタート[9.3%-18.3%-55%-86%]
ダートスタート[11.0%-18.3%-102%-98%]

 勝率・連対率ではほとんど同じなので無理に否定する必要はないが、馬券上の妙味ということではダートスタートのほうが勝る。

 ちなみに、ブライアンズタイム産駒は両者の成績がほぼ同じ(とはいえフリオーソを芝スタートで強調はしづらいが……)、アグネスデジタル(ダイシンオレンジの父)の産駒はダートスタートのほうがベター、エイシンサンディ(セイクリムズンの父)の産駒は勝率・連対率だとダートスタート、回収率は芝スタートとなっている。

 となると結局、トランセンドを否定しても他に選択肢が無いわけで……その一方で一本かぶりかもしれない馬の不安材料を無視はできないわけで……最後の最後まで悩むことになりそうだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング