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いよいよ日本ダービー

  • 2011年05月28日(土) 12時00分
 さぁ、いよいよ日本ダービーです。

 ご承知のとおり、今年は皐月賞が東京で行われました。以前にも書きましたが、同レースが1949年に中山での開催となって以降、何らかの理由で東京に移行されたのは7度目のこと。で、過去6回のそういう年のダービーがどうだったかというと、皐月賞馬が勝って2冠馬となるか、皐月賞で負けていた馬がその雪辱を果たして優勝するか、どちらかのパターンに限られていたんです。
 それをまとめると次のようになります。

    皐月賞  ダービー 
1956年 ヘキラク ハクチカラ=皐月賞12着
1963年 メイズイ メイズイ
1964年 シンザン シンザン
1974年 キタノカチドキ コーネルランサー=皐月賞2着
1976年 トウショウボーイ クライムカイザー=皐月賞5着
1988年 ヤエノムテキ  サクラチヨノオー=皐月賞3着

 つまり、皐月賞不出走馬は勝てないということ。今年にあてはめると、オルフェーブルの2冠制覇があっても何の不思議もなく、巻き返しがあるとすれば、サダムパテック以下の皐月賞敗戦組から、となるわけです。

 さらに、06年以降のダービーはすべて1〜5番ゲートからスタートした馬が優勝、ここ3年は1枠1番の馬が3連勝しています。この2つを考えあわせると、今回は素直にオルフェーブルかサダムパテックを頭に馬券を買うのが正解のように思われます。

 でも、ほかにも楽しみな馬がたくさんいます。中でも、巻き返しがあってもおかしくない皐月賞敗戦組のデボネアに、あのデットーリ騎手が騎乗します。馬主のモハメド殿下も観戦に来られるとなれば、これはもう天下の一大事。1勝馬のダービー制覇なんてフツウでは考えられませんが、“デットーリマジック”があれば奇跡が起きちゃうかも。何しろ彼は、イギリス、フランス、アイルランド、イタリアのダービーを制した男ですから。同馬の単勝は売れるでしょうね。

 そうそう、彼を迎え撃つ形となる日本人ジョッキーの顔ぶれの中に、武豊騎手がいてくれてよかったと思っています。こちらは過去4回も日本ダービーを制した我が国の第一人者。去年はケガのため欠場を余儀なくされ、1993年から続いていたダービーの連続騎乗記録が17年で途切れてしまいました。

 今年は、騎乗予定だったダノンバラードが直前の故障で出走を回避。もしロッカヴェラーノの陣営から声がかからなければ、1987年に同騎手がデビューして以来初めて、2年連続で彼のいないダービーになるところでした。同馬に騎乗するはずだった吉田豊騎手には申し訳ありませんが、これはこれで収まりがついたと言えるのではないでしょうか。

 いつもながら興味津々の日本ダービー。週末は大雨の予報も出ていて、馬券を当てるのは相当に難しくなったようです(終わって見れば“2冠達成”だったりして)。とにかく年に一度のお祭りを楽しみましょう! 

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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