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世界一華やかな競馬開催

  • 2011年06月11日(土) 12時00分
 イギリス王室が主催する世界一華やかな競馬開催、ロイヤルアスコットミーティングが、現地時間の14日(火)に開幕、18日(土)まで5日間にわたって数々の熱戦が繰り広げられます。

 今年は、初日に行われる春の3歳牡馬マイル王決定戦、セントジェームスパレスS・G1にグランプリボスが出走します。同レースに日本馬が挑戦するのはこれが初めて。みなさんも大きな関心をお持ちのことでしょう。その見どころについては合田直弘サンのコラムをお読みいただくとして、ここではロイヤルアスコットミーティングの概要をご案内させていただきます。

 5日間に行われるレースは30。そのうち18レースが重賞競走です。初日の第1レースは、今からちょうど300年前の1711年にアスコット競馬場を創設したアン女王の名前を冠するクイーンアンS・G1。4歳以上のマイル戦で、日本の安田記念にあたります。第2レースはグローバルスプリントチャレンジ第4戦のキングズスタンドS・G1(直線5ハロン)で、次がセントジェームスパレスS。いきなりの“G13連発”で開幕するわけです。

 2日目はプリンスオブウェールズS・G1がメイン。古馬中距離戦線のトップホースが集まる1+1/4マイル戦で、大阪杯か金鯱賞をG1にしたようなレースです。

 3日目は、このミーティングの華やかさが最高潮に達する日。メインは1807年に創設された約4000メートルのゴールドカップ・G1です。これは、ハッキリ言って“前時代的”な超長距離戦。とはいえ、ロイヤルアスコットミーティングに行われる重賞では最も古く、いまだに“最大の呼び物”となっています。

 当日はレディースデーと銘打たれ、女性客は自慢の帽子とドレスに身を包んで来場します(連日そうなのですが、この日は特別)。3日目を見ずしてロイヤルアスコットを語るなかれ、と言ってもいいでしょう。

 4日目は3歳牝馬のマイル女王決定戦、コロネーションS・G1がメイン。そして最終日には、グローバルスプリントチャレンジ第5戦のゴールデンジュビリーS・G1(直線6ハロン)が行われます。初日のキングズスタンドSから中3日の連闘でこのレースに出走する馬もけっこういますが、連勝するのは至難の業。キングズスタンドSがG2だった頃の2003年にショワジールが連勝して以来、そういう馬は現れていません。

 これでもかというくらい、超豪華なプログラムの5日間。これが世界競馬の“サミット”ということを思い知らされます。

 この時期のイギリスはけっこう暑くなる日もあり、モーニングにシルクハットの男性客と豪華に着飾った女性客が汗だくになりながら電車で競馬場に通う姿を見ると思わず笑っちゃいますが、それやこれやがすべて“一大年中行事”になっているようです。日本馬の挑戦が恒例になることを期待しています。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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