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日本の競馬場にも本格的なパブを

  • 2011年08月20日(土) 12時00分
 またまた野球の話からで恐縮です。16日、甲子園の高校野球を見てきました。金沢-習志野、八幡商-作新学院、如水館-能代商、智弁和歌山-日大三の3回戦4試合。大接戦、大熱戦の連続で、朝から夕方まで真夏のドラマをタップリ堪能させてもらいました。いやぁ、おもしろかったなぁ。

 今夏の高校野球は「節電大会」。2日目から準決勝までの第1試合は朝8時開始でした。16日はお盆休みで早朝から混み合うことが予想されたため、私は前売り券を購入して朝6時半頃に球場に到着。いきなり入場門に並び、6時45分の開門とほぼ同時に入場しました。これまで何度も高校野球を観戦してきましたが、そんな時間にスタンドに入ったのは初めてのことです。

 観客席に陣取ると、すぐに聞こえてきたのが、「生ビールいかがですか〜ッ」の声。よく考えてください、まだ朝7時前ですよ。弁当やサンドウィッチならともかく、まず聞こえてきたのが生ビールの売り声なんて、ちょっと早すぎやしませんか?

 でも、「売る人あれば買う客あり」。席に着くやいなや、早速注文して飲み始めている人もちらほら。野球観戦に生ビールは欠かせない、ってことですかね。ちなみに私は、4試合すべてを見届けるために、眠気を催すアルコールは一切飲まず、ガマンしました。

 あらためて考えてみると、高校野球期間中の甲子園は、朝早くから営業しているビアホールのようなもの。強い人だったら、4試合観戦している間に10杯以上は飲めちゃうんじゃないでしょうか。

 以前に書いたかもしれませんが、競馬場も、午前中から開店している居酒屋のようなところ。JRAの競馬場だったら、朝9時過ぎから夕方4時頃まで、6〜7時間は飲んでいられます。酒の肴のメニューも豊富。たいがいの競馬場は“はしご”もOKです。

 海外の競馬場でもお酒は付き物です。アメリカのケンタッキーダービー当日は名物のミントジュレップ、オーストラリアの国家的イベント・メルボルンカップの日はビールが、それぞれ何杯飲まれたかがニュースのネタになるほど。フランスやイタリアなどの競馬場では安くておいしいワインも飲めます。

 そうそう、日本の競馬場にも、イギリスやアイルランド風の本格的なパブがあったらいいですね。最近は立ち飲みブームでしょ?椅子やソファを置くと、そこで寝込んでしまう人も出てくるでしょうから、立ち飲みでいいと思うんです。フィッシュ&チップスやソーセージ&マッシュ(ポテト)を肴にビールを飲んでいると、イギリスやアイルランドの競馬場にいるような気分になれるパブ。どこかに作ってくれませんか?

 ただし、くれぐれも競馬場で飲み過ぎないように。それと、言うまでもなく飲酒運転は厳禁です。ルールとマナーを守って、楽しく競馬とお酒を楽しみましょう!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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