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フランス馬券のおもしろさ

  • 2011年10月15日(土) 12時00分
 10日の南部杯。東京に流れたオリジナルのファンファーレ、トランセンドの驚異的な粘り腰などが相まって、忘れられないレースになりました。ロックハンドスターの悲劇がなければ、素晴らしいレースだったのに。

 一方で、ふだんから岩手競馬の場外発売を実施している東京競馬場の101号投票所は、希に見る大盛況。盛岡の馬券を買って応援してくださったみなさん、主催者に成り代わりまして、厚くお礼申し上げます。

 さて、今回の当コラムでは、その1週間前に行われた凱旋門賞の結果を振り返ります。といっても、PMU=パリ・ミュチュエル・アーバン(フランスの馬券発売機構)の馬券から見たレース結果です。

 勝ったデインドリームの単勝は27.8倍。16頭中11番人気でした。2着シャレータ(単勝15番人気)との馬複は591.2倍、馬単は1191.7倍、3着スノーフェアリー(同8番人気)までの3連複は5801.5倍、3連単は10698.7倍の高配当。とはいえ、単勝人気からすれば、もっとついてもいいような気がします。

 今回の馬券で最高の倍率となったのは、フランス版4連単のカルテ・プリュス。1ー4着に来ると思われる4頭を選び、着順も決めて買うものです。これをズバリ当てた人がいたんですね。1点1.3ユーロ単位の馬券に45419.92ユーロの払戻。つまり34938.4倍です。4着のソーユーシンクは単勝4番人気だったので、これももっととんでもない倍率になっておかしくないはずなんですけど…。

 この馬券、選んだ4頭は1ー4着に来たもののその着順が違っていた場合と、3着までは着順通りだったのに4着は別の馬を選んでいた場合にも払戻を受けられます。前者は2546.1倍、後者は275.8倍でした。

そして、このレースでは「完全的中票なし」の馬券がありました。カルテ・プリュスのもう1つ上、カンテ・プリュス(1点2ユーロ)です。1ー5着に来ると思われる5頭を選んで着順も決めて買うと、4ケタの数字が付いてきて、レース結果に加えて抽せんで決まる4ケタの数字も当たれば、完全的中となります。もちろんキャリーオーバーあり。このレースには1030万ユーロが持ち越されていました。

 結局、今回もこの馬券の完全的中はなし。1ー5着を着順通りに当てた人(オマケの数字は不一致)もなく、「着順違い」に10540倍、「4着まで着順通り」に277.1倍、「1ー5着に来た5頭のうち4頭を選んでいた」に132.9倍、「3着まで着順通り」に88.6倍の払戻となりました。なお、これらの残念賞は、オマケの数字が一致していれば、それぞれ「×10」の倍率になるそうです。

 1日1レース限定で発売されるこの馬券、その後6日までキャリーオーバーが続いた末、7日のヴァンサンヌ競馬でついに1票が完全的中、1055万2310ユーロの払戻(=527万6155倍)となりました。いやぁ、フランスの馬券って、おもしろいですね!!!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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