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斤量と枠番が明暗を分ける/ラジオNIKKEI賞

  • 2012年06月27日(水) 18時00分
■ラジオNIKKEI賞(G3・フルゲート16頭/登録22頭)
【特注必見データ!】 〜レースデータから〜
・1番人気〜3番人気馬 斤量別成績
 [55キロ以下] 2-2-2-4 勝率20.0% 連対率40.0%
 [55.5キロ以上] 0-0-0-5 勝率0% 連対率0%

 ハンデ戦となった06年以降、福島競馬場で開催されたラジオNIKKEI賞において不振が目立っているのが「斤量55.5キロ以上馬」である。全体でも[1-1-1-10]で連対率15.4%と低空飛行なのだが、信頼度がアップするはずの3番人気以内馬が、なんと[0-0-0-5]と1頭も馬券に絡めていない。分母となるデータ数が少ないとはいえ、ここまで極端な結果が出てくるのは問題。「斤量を背負う人気馬」をアテにするより、「ソコソコ背負う内枠から前に行ける馬」に賭けたほうが、好結果を呼び込めるはずだ。

【コース基本情報】福島芝1800m(Bコース使用)
・コース回収率
 [中波乱期待] 単勝64%・複勝72% 人気薄の激走はイメージより少なめ

・馬連万馬券出現率
 [高め] 17.6%(平均値△5.6%)

・枠番別連対率
 [内有利] 内枠17.9%・中枠11.6%・外枠9.0%(16頭立て)

・脚質別傾向
 逃げ>先行>差し>>>追込 追い込み脚質は大幅な割引が必要

・4角通過順別連対率(16頭立て) 
 4番手以内 25.9%
 5番手〜9番手 11.6%
 10番手以下 2.6%

・推定ラップ&タイム
 [やや前傾]35.2-36.6-35.8=1.47.6 平均ペースの持久力勝負

 競馬場こそ違うが、傾向は先週宝塚記念が行われた阪神芝2200mによく似ている。芝の中距離戦ながら序盤からソコソコ速いラップが刻まれ、中盤も大きく緩むことはないため、レース上がりが35秒台半ば前後での決着となりやすい。つまり、末脚のキレだけでは勝負にならない、持久力が要求されるコースということだ。

 福島の芝というだけで大荒れになりそうなイメージだが、コース回収率は低めで、それでいて万馬券出現率は高め。また、内枠有利・前有利の傾向が非常に強く、16頭立てのレースで「1枠〜2枠に入り4角を4番手以内で回った馬」はトータル[14-1-6-30]で複勝率50.0%と、その半数が馬券に絡む大活躍を見せている。回収率も申し分なく、このパターンに当てはまりそうな馬を狙うのが、当コースでの基本戦略といえる。

【レース基本情報】ラジオNIKKEI賞(G3) 福島開催過去5回
・馬連平均配当
 9846円 単平均988円

・1番人気馬成績
 [0-0-1-4] 連対率0%・複勝率20.0%

・3番人気以内馬成績
 [2-2-2-9] 連対率26.7%・複勝率40.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-1-32] 連対率5.7%・複勝率8.6%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ]13.3% [先行]46.7% [差し]26.7% [追込]13.3%

・性別成績
 [牡馬・セン馬] 5-5-3-57 [牝馬] 0-0-2-8

・斤量別信頼度
 54〜55kg>55.5kg以上>52〜53kg>51kg以下

・注目出走パターン
 [買い]前走2着〜5着馬 [1-3-1-12] 連対率23.5%
 [不振]前走重賞出走 [2-0-2-22] 連対率7.7%

 万馬券が2回出ていることもあって、馬連平均配当は9846円と高め。1番人気馬の連対がなく、人気馬の信頼度も総じて低めと、かなり波乱傾向の強いレースといえる。ここでも目立っているのが先行脚質の好成績で、馬券に絡んだ馬のじつに半数近くが該当。「内枠もしくは外枠からの先行」がとくに好結果となっている。斤量を背負う馬が全体的にイマイチなのは、冒頭で解説したとおりだ。

 大きく割り引きたいのが「前走重賞出走→今回」というローテ。なかでも不振なのが前走G1組で、こちらは[0-0-2-12]と期待を大きく裏切っている。対照的に好調なのが「前走チョイ負け組」で、それが東京競馬場でのものなら期待値はさらにアップする。小ネタだが、覚えておいて損はない。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開催が進むも馬場・時計ともに標準的。先行勢が絶好調。

・天候予測
 週末に天気が崩れる可能性があるも、あって稍重程度か。

・勝利数トップ種牡馬
 マンハッタンカフェ 勝率13.0% 連対率19.6%

・著者の注目種牡馬
 キングカメハメハ 勝率15.2% 連対率21.2%

・瞬発力要求度
 53.0(基準値△3.0)※注

 2回福島の前半が終了したが、芝コースで逃げ・先行脚質の馬がいつも以上に走っており、かなり前有利のバイアスといった印象。ただでさえ前有利のコース&レースなのだから、人気薄の前残りには絶対に警戒しておく必要がある。週末に降雨があったとしても、いきなり差し優勢になるとは考えにくい状況だ。

 種牡馬別ではマンハッタンカフェ、ステイゴールド、キングカメハメハなどが好成績。スピードとパワー、末脚のキレと持久力をバランスよく持つタイプに向きそうな印象で、いわゆる「ベタ血統」が素直に評価できるコースだといえる。

★総論×各論
 アーデント、メイショウカドマツ、ローレルブレット、サンレイレーザーなどが人気を集めそうだが、さまざまな側面から「危険な人気馬」として浮かび上がってくるのがアーデントだ。斤量56キロ以上の人気馬で、G1皐月賞からのローテ、しかも差し脚質と不安材料が続発。これで外枠でも引き当ててしまうと、かなり苦しい一戦となりそうだ。

 逆に、前走東京の1000万条件でチョイ負け、斤量55キロ、先行脚質と、プラス材料が目白押しなのがアルキメデス。アーリントンCでの3着やプリンシパルSでの3着など、オープン実績も上位といえる存在だ。アドマイヤムーン×Mr.Prospector系母父の配合と血統面での裏付けこそないが、それ以外は文句なしに「買い」の1頭。ぜひ出走、そして内枠を引き当ててほしい。

 あとは、実績は下位もキンカメ×トニービンという配合と鞍上が魅力のソルレヴァンテや、「先行力のある前走チョイ負け組」であるビービージャパンとプレミアムブルーなど、伏兵が魅力的。とにかく、「内枠に入った前に行ける馬」に対する警戒だけは、絶対に怠るべきではないレースである。


■CBC賞(G3・フルゲート16頭/登録22頭)
 舞台が中京に戻ったCBC賞。中京でのハンデ戦として行われた06年〜09年を対象にデータを検証してみると、1番人気馬[0-0-0-4]、3番人気以内馬[0-2-1-9]、斤量55.5キロ以上馬[1-1-1-14]など、実績上位馬が徹底的にアテにならないレースであることが判明する。さらに、毎回のように10番人気以下馬が馬券に絡み、馬連平均配当は驚異の10000円オーバー! よって今年も、荒れる前提での予想をオススメしたい。

 人気の中心は間違いなくダッシャーゴーゴーだが、ハンデは昨年よりもさらに重い59キロ。また、前走の高松宮記念では4着に好走したが、中京芝1200mで2回走って、いずれも「惜敗」というのも気がかり。G1からのローテで結果が出ていないレースでもあり、実績上位なのは承知の上でケンカを売る手も十分アリだろう。注目馬には、実績は格下ながらも3連勝中と勢いがあり、斤量54キロでローテ&距離短縮もプラスに出そうな、ミトラをあげておきたい。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2006年以降が集計対象

※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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