■七夕賞(G3・フルゲート16頭/登録20頭)
【特注必見データ!】 〜コースデータから〜
・前走距離別成績
[距離延長] 42-39-42-509 連対率12.8% 複勝回収率83%
[同距離] 30-32-28-306 連対率15.7% 複勝回収率67%
[距離短縮] 14-15-17-132 連対率16.3% 複勝回収率92%
積極的に狙いたいのが、前走からの「距離短縮組」だ。とくに目立っているのが500m以上の「大幅」距離短縮組で、ここに限ると[6-5-2-41]で連対率20.4%、複勝回収率126%と、その期待値はズバ抜けて高い。対照的に「人気馬しか来ない」のが、前走でも同距離で出走していたというパターン。上位人気馬は信頼できるが人気薄ではサッパリなので、こちらは人気サイドに的を絞ろう。距離延長組は、可もなく不可もなしといった印象か。
【コース基本情報】福島芝2000m(Bコース使用)
・コース回収率
[標準的] 単勝68%・複勝76% 超人気薄の激走は意外に少なめ
・馬連万馬券出現率
[やや高め] 16.3%(平均値△4.3%)
・枠番別連対率
[中優勢] 内枠12.8%・中枠14.1%・外枠9.2%(16頭立て)
・脚質別傾向
逃げ≧先行>差し>追込 基本は前有利もクラスが上がると差しが届く
・4角通過順別連対率(16頭立て)
4番手以内 25.6%
5番手〜9番手 11.1%
10番手以下 2.7%
・推定ラップ&タイム
[平均]35.4-49.0-35.4=1.59.8 前後半ともに緩みのない持久力勝負
先週のラジオNIKKEI賞は芝1800mでのレースだったが、芝2000mはスタート位置がホームストレッチの引き込み線になるだけで、あとはまったく同じ。レースの流れも当然ながら似かよっており、平均ペースでの持久力勝負になりやすいコースである。4角通過順別の連対率を見てもらえばわかるように、直線一気はめったに決まらず、最悪でも4コーナーを9番手以内で回れるポジションを取りたいところだ。
人気別に成績を見ると、13番人気以下が[0-0-5-228]で連対ゼロ。複勝率もわずか2.1%しかない。「福島芝のハンデ戦」となると超人気薄の台頭に期待したくなるが、場外ホームラン狙いの大振りは禁物。軸馬は、信頼度の高い「内枠〜中枠から先行集団に付けられる馬」で、なおかつ「前傾もしくは平均ラップでの好走実績のある馬」であるのが望ましい。
【レース基本情報】七夕賞賞(G3) 福島開催過去9回
・レース平均配当
単勝1013円 馬連6448円 3連複11994円
・1番人気馬成績
[2-2-2-3] 連対率44.4%・複勝率66.7%
・3番人気以内馬成績
[4-3-9-11] 連対率25.9%・複勝率59.3%
・10番人気以下馬成績
[1-1-0-43] 連対率4.4%・複勝率4.4%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ]10.7% [先行]32.1% [差し]28.6% [追込]28.6%
・性別成績
[牡馬・セン馬] 9-7-10-93 [牝馬] 0-2-0-5
・斤量別信頼度
56〜57kg>57.5kg以上>52〜53kg>>54〜55kg>>51kg以下
・注目出走パターン
[買い]斤量増の前走重賞組 [2-1-1-3] 連対率42.9%
[不振]前走でも福島で出走 [1-2-2-26] 連対率9.7%
[不振]斤量54〜55kgの牡馬 [0-2-4-34] 連対率5.0%
3番人気以内馬の信頼度が高めで、10番人気以下馬が2回しか馬券に絡んでいないにもかかわらず、3連複平均配当は1万円オーバーと中波乱傾向。また、差し・追い込み馬がバンバン来ているのも大きな特徴で、コースデータとは正反対の傾向といえる。もっとも、これに関しては「馬場状態」によるものが大きく、コンディションが良好な今年も同様の結果が出るかは微妙。そう前が速くなるとも思えず、外差し前提での予想は危なっかしい。
注目は斤量別成績。斤量54〜55kgという「中途半端に背負った牡馬」が非常に弱く、その連対率はたったの5.0%。ここを嫌いつつ、56kg以上を背負う実績馬や、52〜53kgの「ソコソコ軽い馬」を狙うのがベターだ。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
意外なほど馬場に傷みが見られずコンディション良好。差しは届く。
・天候予測
週末に降雨あり。開催中の馬場悪化も十分にありそう。
・勝利数トップ種牡馬
ダンスインザダーク 勝率6.8% 連対率15.3%
・著者の注目種牡馬
マンハッタンカフェ、ステイゴールド
・瞬発力要求度
38.0(基準値▼12.0)※注
かなり差しが届くようにはなってきているが、それでも例年の福島よりは格段にコンディション良好。先週のラジオNIKKEI賞が1枠〜3枠で決着しているように、馬場の内目を走れる馬のほうが有利だと考えたほうがいい。土曜日のレース結果を見てから判断したいが、ある程度は前有利、内有利との前提で予想を進めたい。ただ、週末にかけて雨の予報が出ており、降雨量次第では一気の馬場悪化もありそうだ。
血統面では、ダンスインザダークやステイゴールドといった、サンデー系のなかでもややパワー型という印象がある種牡馬が好成績。また、母父サドラーズウェルズ、母父ブライアンズタイムといった「重さ」のある馬も好成績を残しており、東京芝で好成績をあげるような「軽くてキレる」血統は合わない可能性アリ。
★総論×各論
登録メンバーの脚質から考えてハイペースは考えづらく、ミドルペースが濃厚。さらに、馬場コンディションも意外に良いとなると、例年の七夕賞に見られる「差し・追い込み決着での波乱」は期待薄。「先行〜好位勢によるソコソコ順当な決着」を前提での予想が、最も好結果を呼び込めそうである。
データ面から最も高く評価できるのはゲシュタルト。57kgを背負う斤量増の前走重賞組で、しかも距離短縮。プラス評価の項目が非常に多く、いかにも好走が期待できそうだ。それに次ぐのが、エーシンジーライン、タッチミーノット、トーセンラーの3頭。穴では、距離大幅短縮組であるケイアイドウソジンの逃げ粘りに期待したい。
■プロキオンS(G3・フルゲート16頭/登録21頭)
一昨年までは阪神、昨年は京都と、開催条件がめまぐるしく変わるプロキオンS。今年は中京ダ1400mでの開催であり、当たり前だが以前のレースデータはまったく通用しない。多少なりともアテにできそうな中京リニューアル後のコースデータから分析を行ったところ、浮かび上がってきたのが「荒れない可能性が高い」という悲しい結論。当コースで馬券に絡んだ馬の、じつに8割近くが5番人気以内なのである。これは、必ず念頭に置くべきだろう。
直線が長く差しが決まりやすいコースではあるのだが、ファリダット、シルクフォーチュンなどの人気馬が差し&追込脚質に偏っているため、お互いを牽制し合っている間にまんまの逃げ切り──といった決着もありそう。当コースでの逃げ馬は勝つか惨敗なので、テイクアベット、トシキャンディ、タンジブルアセットなどの「1着固定」に賭ける手もありそうだ。
※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象
※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。