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関東馬は絡んでも1頭!?/函館記念

  • 2012年07月11日(水) 18時00分
■函館記念(G3・フルゲート16頭/登録19頭)
【特注必見データ!】 〜レースデータから〜
・厩舎所属別成績
 [美浦] 1-2-2-49 連対率5.6% 複勝率9.3%
 [栗東] 8-7-7-52 連対率20.3% 複勝率29.7%

 函館記念は「西高東低」を地で行くレースであり、データを見ればわかるように、近年も圧倒的に関西馬優勢。関東馬はのべ54頭も出走して1勝しかあげておらず、連対率ベースで比較しても15%近くの大差が出ている。騎手に関しては東西を意識する必要はないが、こと厩舎に関しては断然、関西馬がオススメ。関東馬は「3着以内に来ても1頭だけ」という前提でフォーメーションを組んでいいくらいだ。

【コース基本情報】函館芝2000m(Bコース使用)
・コース回収率
 [波乱期待] 単勝77%・複勝98% 1番人気馬の信頼度が低く回収率は高め

・馬連万馬券出現率
 [やや高め] 15.8%(平均値△3.8%)

・枠番別連対率(16頭立て)
 [中枠有利] 内枠10.7%・中枠15.2%・外枠8.9%

・脚質別傾向
 先行>差し≧逃げ>追込 逃げ粘るのが非常にキツく先行勢優勢

・4角通過順別連対率(16頭立て) 
 4番手以内 23.6%
 5番手〜9番手 11.8%
 10番手以下 3.6%

・推定ラップ&タイム
 [前傾]35.1-49.1-35.6=1.59.8 前半〜中盤が速く上がりのかかる持久戦

 当コースで最も目立っているのが、逃げ馬の不振である。トータル[4-5-5-46]で連対率15.0%、複勝回収率91%と、全体平均に対してそれぞれ▼17.0%、▼49%という、とんでもなく低い数値が出ている。この傾向は中盤が速くなる上のクラスになればなるほど顕著であり、実際に函館記念を逃げ切った馬は、函館開催の過去10年で一度も出ていない。軸馬で狙うなら、好位に付けられる馬がいちばんオススメだ。

 あとは、内枠(1枠&2枠)や外枠(7枠&8枠)との比較で、中枠がきわだって好成績なのも押さえておくべきポイント。1番人気の信頼度が低く回収率が高めのコースでもあり、「中枠から好位に付けて粘り込める持久力型の伏兵」を最上位評価したいところである。

【レース基本情報】函館記念(G3) 函館開催過去9回
・レース平均配当
 単勝917円 馬連6112円 3連複19128円

・1番人気馬成績
 [2-3-0-4] 連対率55.6%・複勝率55.6%

・3番人気以内馬成績
 [4-6-3-14] 連対率37.0%・複勝率48.1%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-0-45] 連対率4.3%・複勝率4.3%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 7.4% [先行] 44.4% [差し] 37.0% [追込] 11.1%

・性別成績
 [牡馬・セン馬] 9-7-8-95 [牝馬] 0-2-1-6

・斤量別信頼度
 56〜57kg>>>54〜55kg>57.5kg以上>52〜53kg>51kg以下

・注目出走パターン
 [買い] 巴賞組 [4-5-1-37] 連対率19.1%
 [買い] 5歳以下馬 [6-8-7-37] 連対率24.1%
 [不振] トップハンデ [1-0-0-9] 連対率11.1%
 [不振] 前走2番人気以下の関東馬 [0-1-2-45] 連対率2.1%

 昨年は3連単40万馬券が飛び出した函館記念。波乱決着となった年はかなり多く、1番人気馬も[2-3-0-4]とやや低めだ。しかし、10番人気以下馬も[0-2-0-45]とかなり不振であり、新聞に△が並ぶような中穴の妙味が高いレースといえそう。また、3着以内馬における先行馬と差し馬のシェアが非常に高く、「先行馬と差し馬」での決着パターンが多いのも、買い目を組み立てる際にはぜひ意識しておきたい。

 注目ローテは、やはり巴賞組。ここ2年は馬券絡みがないが、過去には毎年のように好走していたローテであり、油断は禁物である。あとは「ハンデ56キロ〜57キロ」組が非常に強いこと、トップハンデが大不振であることも、絶対に忘れないように。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 速くもなく遅くもないフラットな状況で特殊なバイアスもなさそう。

・天候予測
 木曜日〜土曜日にかけて降雨あり。稍重〜重馬場の可能性も。

・勝利数トップ種牡馬
 シンボリクリスエス 勝率14.3% 連対率32.1%

・著者の注目血統
 リファール系種牡馬の産駒
 グレイソヴリン系種牡馬&母父の産駒

・瞬発力要求度
 73.0(基準値△23.0)※注

 時計のかかる洋芝でもあり、パワー型のシンボリクリスエス産駒が好調というのはイメージどおり。ジャングルポケットやスターオブコジーンといった「グレイソヴリン系」の血とも相性がよく、母父トニービンの配合馬は[5-4-4-21]で連対率26.5%、複勝回収率132%という好成績を残している。

 また、リファール系種牡馬を父に持つ馬が地味に強いのも特徴的。[0-6-3-27]で複勝率25.0%、複勝回収率128%と、1着こそないが期待値はかなり高いといえる。対照的に不振が目立つのはダンスインザダーク産駒で、こちらは[2-2-2-38]と低空飛行。たとえ人気馬でも、その取捨は慎重にすべきである。

★総論×各論
 プラス評価の項目「だけ」という特注クラスの評価となったのが、人気の一角となるであろうトウカイパラダイスだ。前走の巴賞と同様に、ここも比較的ゆったりしたペースになる可能性が高く、極端な馬場悪化でもないかぎりは、この内容を額面どおり受け取れそう。これで3枠〜6枠にでも入れば、文句なしに「買い」と断言できる。

 あとはロードオブザリング、ミッキーパンプキンも評価が高く、以下サンディエゴシチー、メイショウクオリア、コスモファントム、ネオヴァンドームと続く。ソコソコ人気を集めそうなマイネルスターリーやトランスワープは、データ的には上位に評価できないので、その扱いには注意していただきたい。

■函館2歳S(G3・フルゲート16頭/登録20頭)
 まだ体質の弱い時期に開催されるレースでもあり、人気馬の信頼度は全体的にイマイチ。デビュー戦で派手な勝ち方をしてきた馬でもコロッと負けるので、人気サイドの過信は絶対に禁物である。函館2歳Sのデータ的傾向としていえるのが、まずは徹底的に「前走函館組」が強いレースであるということ。輸送の有無が、結果へと大いに影響しているといえそうだ。

 また、仕上がり早の牝馬のほうが牡馬よりも格段に期待できることや、「キャリア1戦」の馬が最も信頼度が高いこと、地方馬の好走が目立つこと、サンデー系種牡馬の産駒がおしなべて不振であることも、このレースの特徴。となると、阪神デビュー組の牡馬であるティーハーフや買い材料の少ないトルークマクトは嫌いたくなるところ。買い材料の多い地方馬シーギリヤガールや、人気はなさそうだがプロフィールは十分に「買い」のロジウエストを注目馬にあげておきたい。

※コース&血統データは2008年以降、レースデータは2002年以降が集計対象

※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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