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青い函館記念でいい汗を掻く方法

  • 2012年07月12日(木) 12時00分
夏になると、夏の自由研究と称して、何か1つか2つテーマを決めて、追うことにしている。

たとえば一昨年は「(人気の)押し出し・引き出し」、たとえば去年は「松岡の送り出し」「▲騎手の吊り出し」といった具合に。

押し出し・引き出しはその後もずいぶんと使ってるので、自分の中では自由研究の成果はあったと思っている。先週も書いたけどこの夏も記念もの(ハンデ戦)の基本スタンスは人気の押し出し・引き出しで攻めていくつもり。

ーーーと、言いつつーーーー

先週の七夕賞は岩田騎手の1番人気を軸として信頼しきれずに失敗した。ラーは最初からわかっていた1番人気で押し出しじゃない。そこで躓いた。ラー1頭軸で行ければ境界線まで流したはずだからアスカクリチャンは拾えたはず。

え? 強がってるって? いやいや強がってませんって。ただ少々汗がね。とろ〜りとね。どんよりとね。重たいのがね。世間で言うところのキモい質のがね。流れてるだけでね。

あ〜ポカリスエットのCMみたいな汗を流したいなぁ〜。
今年のポカリはダルビッシュみたいだけど、自分の想定CMは♪39度のとろけそうな日、炎天下の夢、なんたらかんたら♪ のやつだ。綾瀬はるかちゃんの? あのちょっと前のね。一色紗英ちゃんの? そのちょっと後ね。

でも1番人気をちゃんと◎にするのって自分にはすこ〜し難しいんだ。ちょっと爽やかすぎると思うんだ、自分には。ときにセンチメンタルな汗が流せる馬券に出会えると思っていてもだ。

凛と1番人気に◎が打てるようにならないと。凛。自分にはもっとも遠い場所にあるものだ。遠すぎて、本来の意味もよくわからない。けどカッコイイ気はしている。よし、「1番人気に◎」を打つことをこの夏の自由研究のテーマに、いや今年は無理だ。来年に先送りしておこう。

一方、プロキオンSは4番人気のアドマイヤロイヤルを馬券圏内で信頼できたけど、トシキャンディを拾いきれなかった。

このレースは穴のサインでもある『0の層』が『青の層』で発生した。だから何か変な馬がぶっ込んで来そうだぞ!という予報は打てた。鴨川と神田川の秘密結社では打てた。でも、浅かった。奥の層までしか警戒できなかった。奥秩父まで警戒すべきだった。呼吸が浅かった。夏なんだからもっと、潜らないと。39度でとろけないと。あ〜汗が臭いぜ。プハー!

押したり、引いたり、奥の奥までぶっ込んでみたり…いい汗掻くのもしんどい年頃になってしまったようです。ウハ。

ーーー言い逃れ、おしまいーーー

▲騎手の吊り出しとは、夏になるとスパークする▲騎手を吊っちゃおうといういたって当たり前の作戦。定番は「2年目の夏」だろうけど、1年目で吊り出せてこそ穴とも思っていたから、去年は一年目の嶋田騎手に注目してみた。

そこそこ上手くいったように思う。その後も嶋田騎手で何度もありがたい馬券を頂戴した。ただ春先に落馬して、そこから復帰してからは上手く狙えなくなった。

でも先週は復帰後初勝利をあげて、すぐにもう1つ勝った(この2つは吊れた)。嶋田騎手はいい汗掻いてきたか? ならばこの夏も、と思ってるけど、どうだろう? 39度でとろけてくれるかな!?(ちなみに2年目は杉原、藤懸が頑張りつつある。自分としては2着3着の多い藤懸の吊りも面白いかなと思ってるところ)

松岡の送り出しも上手く行ってたけれど、ご存知のように去年の後半〜今年の前半にかけて、何度も「落馬負傷」してしまい、今は自分と歯車がちょい狂いがち。

ちなみに「送り出し」とは、前走の騎手を見て、今走の勝ち負けを占う馬券作戦のこと。今回誰が騎乗してるかより、前回誰が騎乗してたかを気にする作戦。だから松岡の送り出しの場合は、「前走・松岡騎乗馬」ということになる。

松岡騎手は自分のイメージでは馬にカツを入れるのが得意で、特に先行させるとビッシリ追うからか、それが次走に生きる気がしていた(かつてサトテツ→松岡→サトテツはゴールデン経由だった)。

たとえるなら、中世ヨーロッパの騎士というイメージ。鋼鉄の鎧を来て、馬を操縦してるような。精神的にパワフルなイメージ。

実際、松岡騎手連続騎乗よりも、乗り替りの方が旨味ある馬券にありつけていた…(気がする)。特に重賞で。だから自然に「送り出し」に注目する形になっていった。

(もちろん、松岡騎乗馬にも注目している。松岡騎手へのリスペクトも忘れずに練らないとバチが当たるでしょう。この春も要所で2着、3着させていたし。)

この作戦は松岡騎手が万全であればあるほど威力を発揮する。だから今年になって、なかなか上手くいってなかったのだけれど、先週の日曜中京の平場で「松岡→戸崎」が2つあって、1着、4着した。松岡騎乗で活性化してきているか? 「騎手が戸崎だからでしょ」とか言っちゃダメ。そういうことではない。

最近の松岡騎乗馬は去年以上に関西馬の依頼が多いように感じていて、この夏もそういうスポット騎乗が多くなるはず。このパターンは次走で別の競馬場になるパターンでもあり、必然的に前走松岡にも巡り会うチャンスは多くなるのではないか?

だからこの夏も松岡騎手の送り出しの仕込みには注目していこうと思う(なんでもかんでも買うわけじゃない。そのあたりはいつものようにセンスでお願いします)。

で、この流れのままに進むと函館記念は当然、前走・松岡騎乗馬に注目!
でもそんなに旨いこと前走・松岡騎乗馬がいるかって話だ……


た。

旨いこといた。

トランスワープ 前走・松岡 今走・大野

前走、2か月半くらいの休み明けを松岡騎手で、福島テレビOPに出走し、1人気で3着。
出負けして、後方からの競馬を余儀なくされて、逃げたミキノバンジョー、4番手にいたドリームバスケットを捕らえきれずに3着した馬。

このレースが福島2週目で、この日の後半の芝レース3つがすべて逃げた馬が勝利したことを考慮すると、その日はそういう馬場だったとも言える。当該レースは11頭立てで、そこで出負けしての差し競馬は少頭数競馬で、逃げた馬が勝ったことを考えると、デムーロ・アプローチ的にもしょうがないとも言える。

そういう流れの中で、上がり1位で3着したことは馬に走る気があったからとも言え、それで人気もハンデも下がるのならば悪い話ではない。

去勢明け7戦で、大野騎手で[2-2-0-1]。聞けば最初から函館記念狙いの福島テレビOP出走とのこと。ならば松岡経由の大野戻りは自分の見立てでは悪くない。

人気次第ではぜんぜんあり!

いつものようにnetkeiba.comの予想オッズを見ると、
水曜19時近辺で7番人気。

うむ、ぜんぜんありだ!

だけど、心配な点もいくつかある。今は7番人気だけど、転び方、いや転ばされ方次第では、2、3番人気にならすぐになりそうでもある。そんなメンバーだ。だからそこが心配。

後述するけど、今年の函館記念はけっこう若い運転手が多い。そういうレースでは、人気はないにこしたこはない。ちょっと転ばされればすぐに3番人気、いや2番人気さえありえる今回のメンバー。そこに25歳の大野騎手がわざわざ入る必要はない。回避できるものなら、回避したいところ。

上位3番人気、いや上位4番人気までを回避できれば、トランスワープは面白いのではないか? 

その一方で、自分は1番人気が予想されるトウカイパラダイスも気になっている。凛とではなく、下世話に気になっている。

今年の函館記念は、おそらくトウカイパラダイスが1番人気になって、コスモファントム、マイネルスターリーらが2、3番人気を分け合いそう。

仮に想定どおりの人気だとすると、

1番人気 柴山(34歳)
2番人気 丹内(26歳)
3番人気 川須(20歳)

こうなる。

若い!? 今年は若い運転手が多いとは思っていたけど、人気どころに騎乗する騎手もけっこう若い!?

もっと言えば、1番人気になるやもしれない34歳の柴山騎手を若いと取るか、もう若くないと取るかで、結論が変わる? もしかしてそこが今年の函館記念の焦点か!?

重賞で1番人気になった経験で言えば、柴山騎手はまだ青い! と言いたくもなる。
でも、騎手としての騎乗キャリアを考えれば、もう青くない!それなりの技術も経験もある! とも言える。

なぜそこを気にするかというと、
この10年の1番人気を見ても、若いと苦戦傾向にあるからだ。

02年 福永 25歳(以後すべて当時の年齢) 6着
03年 蛯名 34歳 1着(トップハンデ)
04年 武豊 35歳(別格) 2着
05年 藤田 33歳 5着(トップハンデ)
06年 安藤勝 46歳(別格) 1着
07年 福永 30歳 4着(トップハンデ)
08年 秋山 29歳 2着
09年 松岡 24歳 12着
10年 安藤勝 50歳(別格) 2着
11年 丹内 25歳 8着(トップハンデ)

連対したのは
蛯名34歳 1着
武豊35歳 2着
安藤勝46歳&50歳 1着 2着
秋山29歳 2着

うむ、なかなかに納得できる1番人気の結末。
秋山騎手29歳を若いのに頑張ったと取るか、若さゆえに2着だったと取るかは人それぞれだけど、自分はハナ差2着なら、頑張ったと取りたい。
でも、それでも1番人気が若いと思えれば、だいたいにおいてはサゲでいいのではないか。

34歳の蛯名騎手は勝った。
33歳の藤田騎手はトップハンデではあったけど、5着に負けた。

柴山騎手は34歳。トップハンデではない。

どうなんだ? 柴山騎手は若いのか? 若くないのか?

トウカイパラダイスは前走・巴賞1着。しかも2走前は目黒記念2着。

函館記念は前走・巴賞組が来る年と前走・巴賞じゃない組が来る年とに分かれやすい。特に前走・巴賞じゃない組の前走は重賞が望ましい。全部じゃないけど、だいたいそう。その点でもトウカパラダイスの巴1着、目黒2着は頼もしい。どっちも抑えているからだ。馬だけ見たら、1番人気でも仕方のないところか。

ちなみに巴賞組は来るならば、いっしょに来ると記したけど、巴賞の着順が近い馬同士で来やすい傾向にもある。

3年前は巴賞3着・6着・5着で1着2着3着、4年前は4着・1着・6着で1着・2着・3着(4着と6着がニア)、5年前は11着・8着で1着・2着、7年前は1着・2着で1着・2着。

今年の巴賞組は8頭が登録。(馬名)は除外対象。

1着 トウカイパラダイス
3着 (サンディエゴシチー)
4着 (ストロングガルーダ)
5着 イケトップガン
6着 ミッキーパンプキン
9着 リッツィースター
10着 メイショウクオリア
11着 (ヤマニンウイスカー)

来るならばサンディエゴシチーといっしょかと思っていたけど、サンディエゴは除外濃厚。
となると、トウカイパラダイスは単独で考えてもいいことになる。きっとそうなる。

で、振り出しに戻す。

柴山騎手は若いのか、若くないのか?
馬は頼もしい。巴賞を57キロで2番人気で1着した。目黒記念(G2)を55キロで2着して、G3の函館記念を56キロで出走する。悪くない。

4年前に1番人気で2着した秋山騎手のフィールドベアーは、新潟大賞典を56キロで3着して、巴賞を57キロで3番人気で1着した。ちょっと似ている。この一点だけにピントを合わせれば、トウカイパラダイスはフィールドベアーに置き換えられなくもない。
柴山騎手の重賞経験は若くても、当時の秋山騎手よりは若くない。

つまり、4年前に集中して、それでいて総合的に(都合よく)判断するならば、柴山騎手は若くないということになる。それはつまり1番人気の責任をまっとうするということにもなる。

そして、そこから別の一点にピントを合わせてみる。
6年前に1着したエリモハリアーは前走が巴賞2着だった。そのレースで2着したエアシェイディは前走が福島テレビOP1着だった。

今回、壇上にあげてみたトランスワープは前走・福島テレビOP3着、トウカイパラダイスは前走・巴賞1着。

というわけで、今年の函館記念はトウカイパラダイスとトランスワープの一点! 
馬連で一点、ワイドで一点。都合二点。それが週の真ん中の二点勝負。いい汗掻きたいがゆえにちょっと調子に乗ってみた。

おまけ(sunny day sundayできそうな馬)
サンディエゴシチー(巴賞3着だから)
イケトップガン・ミッキーパンプキン(巴賞ニアで)
ロードオブザリング(フィーリング)

ーーーーーーーーーーーーーーーー

今週から土曜日の「競馬王×netkeiba.com」コラボコーナーで、「ガチンコ2点勝負」的な、「マジ2点勝負」風な企画が始まるそうです。

聞くところによると、今後、競馬王が太鼓判を押す馬券名人たちが入れ替わり立ち替わりで、自信の2点勝負を披露して行くとか。

え?あの人が!? わお!この人が!? まさか、あの御方も!?
そんな素敵なラインナップだそう。

今週は挨拶がわりに競馬王編集部イチの勝負馬券名人が、競馬王編集部の威信を懸けて、二点勝負を決行するとか。

この男はさきの帝王賞でも3連単をほぼ2点で仕留めており、マジ馬券の絞り込みには定評あり。さぞや、後続の本命予想家たちに圧をかけてしまうことでしょう。

なんて流れがあるもんだから、自分も頼まれもしないのに2点勝負! とかしてみたわけです。挨拶がわり前のニギやかしでございます。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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