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人気も穴も狙うは先行勢!/小倉記念

  • 2012年08月01日(水) 18時00分
■小倉記念(G3・フルゲート18頭/登録14頭)
【特注必見データ!】 〜コースデータから〜
・小倉芝2000m 脚質別成績(14頭立て以上)
 [逃げ] 9-15-3-81 連対率22.2% 複勝率25.0%
 [先行] 48-44-38-220 連対率26.3% 複勝率37.1%
 [差し] 38-34-45-567 連対率10.5% 複勝率17.1%
 [追込] 0-3-9-453 連対率0.6% 複勝率2.6%
 [捲り] 3-3-3-5 連対率42.9% 複勝率64.3%

 脚質別にデータを取ると、必ずといっていいほど逃げ馬の期待値が最も高くなるもの。しかし当コースにおいては、先行馬が連対率、複勝率ともに逃げ馬を圧倒している。回収率ベースの数字を見ても同様で、逃げ馬の複勝回収率が80%であるのに対して、先行馬のそれは124%と、なんと40%以上もの大差が出ているのだ。

 ちなみに、レース頭数を限定せずに全体を対象としたデータでも、先行馬はトータル[82-66-68-301]で複勝率41.8%、複勝回収率125%という、とんでもなく高い期待値をマーク。軸馬には、迷わず先行馬を指名すべきと断言しよう。

【コース基本情報】小倉芝2000m Aコース使用
・コース回収率
 [標準的] 単勝64%・複勝68% 下のクラスは堅いが上級条件では波乱多し

・馬連万馬券出現率
 [概ね標準] 10.2%(平均値▼1.8%)

・枠番別連対率(14頭立て以上)
 [やや外枠不利] 内枠14.2%・中枠12.8%・外枠9.4%

・脚質別傾向
 先行>逃げ>>差し>>>>追込 4角通過7番手以内が望ましい

・推定ラップ&タイム
 [前傾] 34.2-47.7-35.2=1.57.1 序盤からHペースで流れる消耗戦も

 4コーナーの引き込み線からスタートするため、最初のコーナーまでが非常に長く、ポジション争いはそれほど激化しないコース。とはいえ、前半3Fはかなり速く、重賞であれば34秒5を切って当たり前。さすがに昨年の小倉記念ほど速くはならないだろうが(昨年は前半3F33秒3)、ある程度の速力がないと序盤で置かれてしまう可能性もある。

 そういったコースであるため、枠番による有利不利はそれほど感じられない。外枠より内枠のほうがベターではあるのだが、あまりセンシティブに考える必要はないだろう。

【レース基本情報】小倉記念(G3) 過去10年
・レース平均配当
 単勝1331円 馬連8339円 3連複56886円

・1番人気馬成績
 [2-3-1-4] 連対率50.0%・複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [3-5-3-19] 連対率26.7%・複勝率36.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-2-51] 連対率3.6%・複勝率7.3%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 3.3% [先行] 40.0% [差し] 36.7% [追込&捲り] 20.0%

・性別成績
 [牡馬・セン馬] 8-9-8-99 [牝馬] 2-1-2-16

・斤量別成績
 [51キロ以下] 0-0-0-13 連対率0% 複勝率0%
 [52〜53キロ] 2-0-5-25 連対率6.3% 複勝率21.9%
 [54〜55キロ] 3-5-3-45 連対率14.3% 複勝率19.6%
 [56〜57キロ] 4-4-2-24 連対率23.5% 複勝率29.4%
 [57.5キロ以上] 1-1-0-6 連対率25.0% 複勝率25.0%

・注目出走パターン
 [買い] 斤量増減なし〜3キロ増となる馬 連対率21.0%
 [買い] 中9週以上の間隔で出走 連対率33.3%
 [不振] 前走重賞以外で2着以下 連対率2.7%
 [不振] 斤量1〜2.5キロ減となる4番人気以下馬 連対率3.2%

 過去10年で3連複万馬券が7回、そのうち3回が10万馬券以上と、荒れに荒れている近年の小倉記念。1番人気〜3番人気でキッチリ決まった05年のような例もあるにはあるが、3番人気以内馬のトータル成績を見てもわかるように、人気馬をアテにしづらいレースである。今年は登録段階でも14頭で少頭数となる可能性もあるが、それでも「ある程度は荒れる」という前提で予想を進めたほうがいい。

 コースデータと同様に目立つのが逃げ馬の不振で、小倉記念で道中先頭に立った馬は[0-1-0-11]と低調な成績に終わっている。対照的に先行勢は[3-4-5-21]で連対率21.2%、複勝率36.4%と絶好調。また、人気薄の差し馬もかなり期待値が高く、注目すべき存在といえる。

 ハンデ戦ながら軽ハンデ馬の激走はそう多くはなく、56キロ以上を背負う牡馬から入ったほうがベター。しかし、ハンデ57.5キロ以上馬は[1-1-0-8]と信頼度イマイチであるため、嫌ったほうが好結果を呼び込めそうだ。あとは、休養明けの馬がよく走るのも、特徴的なポイントだといえる。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 小倉の夏開催らしい高速馬場。レコード決着の可能性も十分アリ。

・天候予測
 台風10号の影響が読みづらいが、降水確率は低く良馬場を想定。

・勝利数トップ種牡馬
 キングカメハメハ 勝率17.1% 連対率26.3%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、母父SSのキングカメハメハ産駒

・瞬発力要求度
 65.8(基準値△15.8)※注

 トニービンに代表されるグレイソヴリン系との好相性で知られるレース条件なのだが、今年は残念ながら該当馬の登録ナシ。さらに、タイキシャトル産駒やマヤノトップガン産駒、ダンスインザダーク産駒の参戦もないとなると、血統面で推奨できるのはディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒といったベタ良血となる。

 先週の国東特別(500万下)で1分57秒2のレコードが計時されているように、芝のコンディションはきわめて良好。ペース次第では1分56秒台の決着となってもおかしくない馬場状態であり、いつも以上に軽いスピードが要求されると考えるべきだろう。台風の影響が多少は出るかもしれないが、前提はあくまで「高速馬場」である。

★総論×各論
 登録馬に先行勢が少なく、かなり前が楽をできそうな組み合わせ。エーシンジーラインかミキノバンジョーがハナに行き、ゲシュタルトやダノンバラード、ナリタクリスタルなどが好位勢を形成する……といった馬群となりそうだ。この隊列で、序盤のペースが昨年のように速くなるというのは、ちょっと考えづらい。

 となれば、ハナ候補の2頭はどちらも「買い」だ。外枠を引いたほうが番手をまわる可能性は高いのだが、そればっかりは枠番決定後でないと何ともいえない。データ的にはエーシンジーラインが最も高評価であり、同馬が番手に控えた場合がいちばんアツい。

 アスカクリチャン、ダノンバラード、トーセンラーといった上位人気が予測される組は、いずれも可もなく不可もなしといった印象。ナリタクリスタルは、58キロのトップハンデが大きな懸念材料である。そして穴馬候補は、タムロスカイ、ニシノメイゲツの2頭をあげておきたい。

■レパードS(G3・フルゲート15頭/登録20頭)
 新潟ダート1800mは徹頭徹尾、先行勢が強いコース。逃げ&先行馬のトータル連対率が31.7%、複勝率が44.8%であるのに対して、差し&追込馬は連対率6.4%、複勝率11.0%と、天と地ほどの差が出ている。また、4コーナーを先頭で回った馬の勝率が32.7%もあるというデータも、この傾向を裏付けるもの。コーナーがキツく回りながら加速できない上に平坦であるため、先行勢に上がりをまとめられると差せないのである。

 となると、出遅れ癖のあるイジゲンは苦しい。前走では豪快にマクる競馬で1着をもぎ取ってみせたが、今回の新潟替わりは明らかにマイナス材料。実績は同レベルでも、当コースではホッコータルマエのほうが勝率は格段に高い。また、前走ではイジゲンの決め手に屈したキングブレイクも、このコース替わりで巻き返しが期待できそうだ。

 同様の理由から注目したいのがスターバリオン。前走で見せた先行力は上々のもので、ここに入っても先行力は遜色ナシ。ハナに行ける可能性もありそうで、人気次第では厚く狙ってみる手もある。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象

※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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