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牝馬優勢も今年は微妙か!?/札幌記念

  • 2012年08月15日(水) 18時00分
■札幌記念(G2・フルゲート16頭/登録20頭)
【特注必見データ!】 〜レースデータから〜

・札幌記念 性&年齢別成績
 [5歳以下牡馬] 6-5-5-47 連対率17.5% 複勝率25.4%
 [5歳以下牝馬] 4-2-2-6 連対率42.9% 複勝率57.1%
 [6歳以上牡馬] 0-3-3-52 連対率5.2% 複勝率10.3%
 [6歳以上牝馬] 0-0-0-2 連対率0% 複勝率0%

 札幌記念のレースデータで最も目立っているのが、牝馬と5歳以下馬の圧倒的優位だ。過去10年の勝ち馬はすべて5歳以下であり、6歳以上馬はトータル[0-3-3-54]で連対率5.0%、複勝率10.0%と低空飛行。対照的に5歳以下馬はおしなべて好成績であり、なかでも5歳以下の牝馬は連対率42.9%という超・好成績となっている。

 さすがに5歳以下牝馬の好成績はできすぎだとは思うが、過去10年で勝ち馬が4頭も出ているという事実は無視できない。人気馬も穴馬も、5歳以下馬と牝馬を重視するスタンスで予想を進めたいところだ。

【コース基本情報】札幌芝2000m Cコース使用
・コース回収率
 [順当傾向] 単勝75%・複勝79% 5番人気以内馬の期待値が高い

・馬連万馬券出現率
 [標準レベル] 11.1%(平均値▼0.9% 馬連平均配当5948円)

・枠番別連対率(16頭立て)
 [内枠優勢] 内枠14.7%・中枠12.8%・外枠10.3%

・脚質別傾向
 先行>差し>逃げ>>捲り>>追込 4角9番手以内での通過が望ましい

・推定ラップ&タイム
 [底力勝負] 34.8-49.6-35.2=1.59.6 クラスが上がるほど前後半が均等に

 出走馬のレベルが高く、自然と流れも厳しくなる札幌記念。昨年の覇者トーセンジョーダンの例を持ち出すまでもなく、後半戦を占う意味でも重要な一戦である。

 その舞台となる札幌芝2000mは、ホームストレッチ側にある引き込み線からスタートして、ぐるっと1周するというコース形態。最初のコーナーまでの距離が長いのでポジション争いはそう激化しないが、1枠〜2枠の連対率が14.7%であるのに対して、3枠〜6枠が12.8%、7枠〜8枠のそれは10.3%と、外に行くほど信頼度が落ちる傾向にある。クセのないコース形態でもあり、枠番はロスの少ない内枠のほうがベターだ。

 脚質面では、後方待機組の不振が目立っている印象。先行脚質であればとくに気にする必要はないが、16頭立てのレースで4角を10番手以下で通過した馬は、トータル成績[4-3-5-237]で連対率2.8%、複勝率4.8%と、その信頼度はきわめて低い。脚質的に不器用で、勝負所で置かれる懸念があるようなタイプは、大きく割り引く必要がありそう。自分から動ける、マクリが打てるような馬でないと厳しい。

【レース基本情報】札幌記念(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝865円 馬連7784円 3連複57430円

・1番人気馬成績
 [4-3-1-2] 連対率70.0%・複勝率80.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-4-6-14] 連対率33.3%・複勝率53.3%

・10番人気以下馬成績
 [0-3-1-43] 連対率6.4%・複勝率8.5%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 43.3% [差し] 40.0% [追込&捲り] 6.6%

・性別成績
 [牡馬・セン馬] 6-8-8-99 [牝馬] 4-2-2-8

・年齢別成績
 [3歳馬] 2-1-0-7 連対率30.0% 複勝率30.0%
 [4歳馬] 4-2-3-19 連対率21.4% 複勝率32.1%
 [5歳馬] 4-4-4-27 連対率20.5% 複勝率30.8%
 [6歳馬] 0-2-0-23 連対率8.0% 複勝率8.0%
 [7歳以上馬] 0-1-3-31 連対率2.9% 複勝率11.4%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 1-5-5-38 連対率12.2% 複勝率22.4%
 [栗東] 9-5-5-69 連対率15.9% 複勝率21.6%

・注目出走パターン
 [買い] 関西馬の5歳以下牝馬 連対率60.0% 複勝率80.0%
 [買い] 前走G1組の5歳以下馬 連対率42.1% 複勝率52.6%
 [不振] 前走で重賞以外に出走 連対率8.3% 複勝率12.5%
 [不振] 前走4角を2番手以内で通過 連対率7.7% 複勝率15.4%

 平均配当が馬連7784円、3連複57430円とかなり高くなっているが、これはヘヴンリーロマンスが勝って大波乱決着となった05年の影響。[4-3-1-2]という1番人気馬の好成績や、865円という単勝平均配当が示すように、そう大きく荒れる傾向のレースではない。「人気薄は絡んでも1頭」といった前提のほうが、好結果につながるはずだ。

 レースデータで目立っているのが、逃げ馬の成績がイマイチであること。3着以内馬に占める逃げ馬のシェアは10.0%と、通常の重賞よりもかなり低い水準にある。また、ここでもハナに行く可能性が高い「前走4角2番手以内通過馬」も、連対率7.7%と不振。ハナには行かないがソコソコの位置を取れる……といったパターンに該当する馬なら安心だといえる。

 あとは、勝ち馬が圧倒的に関西馬優勢であるのも、押さえておきたいポイント。トータル成績だと差はないのだが、関東馬1勝に対して関西馬9勝と、その差は絶大である。フォーメーションの1着欄に塗る対象は、今年も関西馬に限定するのがオススメだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 馬場コンディション良好。走破時計も例年よりも全体的に速い。

・天候予測
 週のなかばに多少の降雨はあるも週末は降らず良馬場となりそう。

・勝利数トップ種牡馬
 マンハッタンカフェ 勝率13.6% 連対率22.7%

・著者の注目血統
 母父にスタミナ&底力系の種牡馬を持つ配合

・瞬発力要求度
 32.3(基準値▼17.7)※注

 当コースの勝利数トップ種牡馬はマンハッタンカフェで、以下ステイゴールド、シンボリクリスエスと続くラインナップ。サンデー系以外ではホワイトマズル、ロージズインメイといった、意外な種牡馬が上位に食い込んでいる。また、キングカメハメハ産駒は[1-3-1-26]と大不振で、ディープインパクト産駒も「並」程度。このようなデータから、スタミナ要求度のかなり高い馬場だと推測される。

 母父も同様の傾向にあり、サドラーズウェルズ系やニジンスキー系といったスタミナと底力に富む系統が好相性。「キンカメ×サンデー」や「サンデー×トニービン」といった軽さを追求した現代的配合よりも、少し土臭さを感じる血統や、垢抜けない部分を残す配合馬のほうが、当コースでは信頼できるのである。

★総論×各論
 この原稿を執筆中に、実績断然のトーセンジョーダンが回避という情報を入手。となると、ダークシャドウが断然人気となりそうだ。

 しかし、データからのトップ推奨馬はヒルノダムール。関西馬で5歳、血統◎、脚質◎、ローテ◎と全体的に高評価であり、実績は言うまでもなく上位。洋芝適性に関してはビミョーな部分もなくはないが、デキさえ問題なければ上位を争えると見る。そして次点には、キンカメ産駒であること以外はマイナス評価がないヒットザターゲット。1番人気の可能性が高いダークシャドウは、それに次ぐ3番手評価となった。あとは、ネオヴァンドーム、ミッキーパンプキンと続く。

 牝馬はハナズゴール、フミノイマージンあたりがソコソコ人気となりそうだが、いずれも脚質面が大幅マイナスであり、素直には手を出しづらい印象。ならば思い切って、爆穴としてレジェンドブルーを狙う手もありそうだ。ハナへ行かれると厳しいが、番手を回れる展開にでもなれば意外に面白いかも!?

■北九州記念(G3・フルゲート18頭/登録18頭)
 北九州記念は舞台を小倉芝1200mに移して以降、1番人気が[1-0-2-3]と人気を裏切りまくり、8番人気が2勝、さらに11番人気も2勝をあげるという大波乱レースと化した。もちろん今年も、ハンデ戦らしい大混戦が期待できそうである。

 最も注目すべきポイントは、やはり「斤量」だ。牡馬は55.5キロ以上を背負う大不振であり、狙うなら軽ハンデ馬。牝馬も軽ハンデのほうがベターで、斤量53キロ以下が望ましい。また、好走馬が4歳〜6歳に偏っているのも、重視すべきファクターといえそうだ。

 例えばエーシン勢4頭についていえば、エーシンヒットマン、エーシンリジルは「買い」で、エーシンヴァーゴウは「押さえ」、エーシンダックマンは「消し」という評価。ヘニーハウンドも56.5キロというハンデを考えると、思い切って消したほうが美味しそう。穴候補としては、ジュエルオブナイル、スギノエンデバーの2頭をあげておきたい。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象

※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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