■キーンランドC(G3・フルゲート16頭/登録15頭)
【コース基本情報】札幌芝1200m Cコース使用
・コース回収率
[順当傾向] 単勝63%・複勝76% 1着馬の9割以上が6番人気以内
・馬連万馬券出現率
[やや多め] 16.9%(平均値△4.9% 馬連平均配当5379円)
・枠番別連対率(15頭立て以上)
[大外強し] 内枠11.8%・中枠12.7%・外枠13.5%
・脚質別傾向
先行>逃げ>>差し>>>>追込 4角6番手以内が望ましい
・推定ラップ&タイム
[前傾] 33.8-34.2=1.08.0 もっと前傾で上がりのかかる流れもあるか
集計期間内に当コースで開催されたのが124レース。そのうち、6番人気以内馬が制したレースが112レースに対して、7番人気以下馬が制したのはわずか12レースであり、勝ち馬に関しては圧倒的に「順当決着」の傾向にある。よほどの自信がなければ、人気薄を頭に固定した馬券はオススメしかねる。
それ以外の指標からは「標準的なスプリント戦が行われるコース」だといえそう。前有利なのは言うまでもなく、あとは内枠よりも外枠のほうが全体的に好成績であるのが目立っている程度。軸は「4コーナーを6番手以内」という位置取りが可能な馬からチョイスするのがセオリーだ。
【レース基本情報】キーンランドC(G3) 過去6年
・レース平均配当
単勝3190円 馬連14430円 3連複15193円
・1番人気馬成績
[1-1-2-2] 連対率33.3%・複勝率66.7%
・3番人気以内馬成績
[3-3-4-8] 連対率33.3%・複勝率55.6%
・10番人気以下馬成績
[1-1-0-39] 連対率4.9%・複勝率4.9%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 5.6% [先行] 55.6% [差し] 33.3% [追込] 5.6%
・性別成績
[牡馬・セン馬] 2-4-3-57 [牝馬] 4-2-3-20
・年齢別成績
[3歳馬] 1-0-1-7 連対率11.1% 複勝率22.2%
[4歳馬] 2-1-1-10 連対率21.4% 複勝率28.6%
[5歳馬] 1-0-3-14 連対率5.6% 複勝率22.2%
[6歳馬] 1-4-1-26 連対率15.6% 複勝率18.8%
[7歳以上馬] 1-1-0-20 連対率9.1% 複勝率9.1%
・厩舎所属別成績
[美浦] 1-1-4-44 連対率4.0% 複勝率12.0%
[栗東] 5-5-2-31 連対率23.3% 複勝率27.9%
・注目出走パターン
[買い] 同年の函館スプリントS勝ち馬 複勝率100%
[買い] 栗東所属の牝馬 複勝率42.9%
[不振] 1枠〜2枠に入った馬 複勝率16.7%
[不振] 前走6着以下馬 複勝率7.3%
単勝、馬連ともに平均配当が高くなったが、これは08年にタニノマティーニが16番人気1着という大激走をかましているため。いわば再現性が低く「例外」扱いしてしまえるようなレースであり、大物狙いでブンブン振り回すよりは、バットを短く持ったシュアなバッティングのほうが好結果を呼び込めるレースである。
目立っているのが、3着以内馬に占める先行脚質の割合。先行脚質がその過半数を占めており、コースデータと同様に「前有利」がきわだっている。あとは牝馬の強さ、関西馬の圧倒的な成績も目立っているので、予想する上でのファクターとして重視しておきたい。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
時計は全体的に速いが1着馬は差し優勢。差し→先行が本線?
・天候予測
木曜日に多少の降雨の可能性あるも週末は晴れ。良馬場濃厚。
・勝利数トップ種牡馬
スウェプトオーヴァーボード 勝率12.7% 連対率16.4%
・著者の注目血統
母父サンデーサイレンス 複勝率26.5% 複勝回収率101%
・瞬発力要求度
47.0(基準値▼3.0)※注
勝利数トップがスウェプトオーヴァーボード産駒で、ムーンバラッド産駒、アグネスデジタル産駒も好成績。芝1200m戦らしくサクラバクシンオー産駒も好調ではあるのだが、やはり洋芝の影響が出ている印象の上位ラインナップだ。
あとは、回収率が単複ともに100%の大台を突破している、母父サンデーの配合馬も高評価しておきたいところ。となると、「アグネスデジタル×SS」であるグランプリエンゼルに、スウェプト産駒のパドトロワ、サクラバクシンオー産駒のダイメイザクラ、ダッシャーゴーゴー、レオンビスティーあたりが、血統データから推せる馬といえそうである。
★総論×各論
CBC賞組のダッシャーゴーゴー、スプリングサンダー、グランプリエンゼルに、アイビスサマーDの勝ち馬パドトロワ、函館スプリントSの覇者であるドリームバレンチノなど、なかなか骨っぽいメンバーが登録。今年も、かなり面白いレースが期待できそうだ。
データ面から信頼度ナンバーワンと評価したのはドリームバレンチノ。そもそもキーンランドCは「北海道シリーズ参戦組」が強いレースであり、なかでも函館スプリントSの上位馬は非常に高い信頼度を誇っている。また、前走で負かした相手がロードカナロアであることや、脚質面での安定感も○。ロージズインメイ×マイネルラヴという垢抜けない配合も、当コースではプラスに評価できるものである。
実績最上位であるダッシャーゴーゴーは、データ面から推せる材料がほとんど見当たらず、正直なところ推しづらい。脚質がものすごく不器用なスプリングサンダーも、牝馬とはいえ不安さが先に立つ。こういった人気馬を狙うくらいなら、ハナを争うであろうパドトロワやテイエムオオタカ、北海道シリーズ参戦の牝馬であるシュプリームギフトやダイメイザクラといった穴馬に食指が動く。
■エルムS(G3・フルゲート13頭/登録15頭)
古豪エスポワールシチーと、ダート界の新星となりそうなローマンレジェンドが激突。土曜日に組まれた重賞ながら、今後を占う意味での注目度はかなり高い。
まずはこの2頭についてだが、データ的には一長一短といった印象。実績断然であるエスポワールシチーは、このレースと相性イマイチな7歳馬だが、交流重賞からのローテは最良。対照的に、実績で見劣るローマンレジェンドは非常に相性のいい4歳馬で、中京からの臨戦も該当数が少ないものの結果は◎。レースデータ的にはローマン優勢と見るが、この2頭でのワンツー決着でもなんら不思議ではない。
穴馬では、レースに向くプロフィールを備えるグランドシチーが注目株。逆に、向かない材料が多いエーシンモアオバー、クリールパッションは、コース実績は評価しつつも今回は「消し」を推奨する。
■新潟2歳S(G3・フルゲート18頭/登録21頭)
キャリアの浅い2歳馬によるレースだけに、何が起こっても不思議ではない一戦。開催時期が前倒しされたが、新馬戦スタート時期の変更にともなうものだけに、これはあまり気にする必要はなさそうだ。
レースデータから「高確率で来るパターン」を簡潔にまとめると「デビュー勝ち」「前走ダリア賞3番人気以内」「前走新潟で出走、1400m戦なら◎」というのが三本柱。よって、ダリア賞組ではエフティチャーミー、コスモリープリングの2頭。新馬1着からのローテではショウナンアンカー、モーニングコール、ミナレットの3頭がオススメということになる。タガノラルフの扱いが難しいが、レースデータ的には推奨できないパターン。人気になればなるほど危なっかしさが増す、と考えるべきだろう。
※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象
※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。