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今年アタマで来るのは人気薄!?/セントウルS

  • 2012年09月05日(水) 18時00分
■セントウルS(G2・フルゲート16頭/登録22頭)
【コース基本情報】阪神芝1200m Aコース使用
・コース回収率
 [堅調] 単勝64%・複勝86% 1番人気の勝率が飛び抜けて高い

・馬連万馬券出現率
 [やや高め] 9.7%(平均値▼2.3% 馬連平均配当5489円)

・枠番別連対率(16頭立て)
 [中枠劣勢] 内枠14.3%・中枠10.8%・外枠14.6%

・脚質別傾向
 先行≧差し>>逃げ>>追込 短距離戦ながら逃げ馬は意外なほど劣勢

・推定ラップ&タイム
 [均等] 33.8-34.0=1.07.8 前後半の3Fがおおむね均等〜やや前傾となる流れ

 2番人気8勝、3番人気9勝に対して、1番人気馬はなんと25勝と圧倒的に強い。内回りながらクセのないコース形態であり、枠番による影響も小さいため、実力馬がキッチリとその能力を発揮できるのだ。コース全体の単勝回収率が64%と低いのも、コレが要因。たとえ穴党であろうと、1番人気馬を無理やり消すのはオススメできないコースだ。

 また、セントウルSに限定した話になるが、芝の1200m戦にしては上がりが速く、前後半のラップがほぼ均等の流れになるというのも大きな特徴。コース全体で見るとスプリント戦らしい前傾の流れがその大半を占めるのだが、絶好の馬場コンディションで迎えるセントウルSにおいては「前半が速く後半も速い」という、やや特殊なラップが刻まれている。よって、スプリント戦とはいえ先行力だけで押し切るのは難しく、どれだけの末脚が使えるかも重要。逃げ切りはイメージ以上に難しいと考えたほうがいい。

【レース基本情報】セントウルS(G2) 阪神過去9回
・レース平均配当
 単勝939円 馬連4954円 3連複20771円

・1番人気馬成績
 [2-2-3-2] 連対率44.4%・複勝率77.8%

・3番人気以内馬成績
 [5-5-5-12] 連対率37.0%・複勝率55.6%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-1-41] 連対率4.5%・複勝率6.8%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 14.8% [先行] 51.9% [差し] 18.5% [追込] 14.8%

・性別成績
 [牡馬・セン馬] 3-5-7-68 [牝馬] 6-4-2-30

・年齢別成績
 [3歳馬] 1-2-1-13 連対率17.6% 複勝率23.5%
 [4歳馬] 4-2-5-19 連対率20.0% 複勝率36.7%
 [5歳馬] 4-3-2-25 連対率20.6% 複勝率26.5%
 [6歳馬] 0-1-1-25 連対率3.7% 複勝率7.4%
 [7歳以上馬] 0-1-0-16 連対率5.9% 複勝率5.9%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 1-1-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0%
 [栗東] 8-6-8-82 連対率13.5% 複勝率21.2%
 [海外] 0-2-0-1 連対率14.4% 複勝率21.6%

・注目出走パターン
 [特注] 前走小倉にて1番人気で出走(連対率66.7%)
 [買い] 前走で重賞に出走の牝馬(連対率28.0%)
 [不振] 前走4番人気以下の牡馬(連対率5.3%)
 [不振] 1400m以上戦からの距離短縮(連対率3.7%)

 11番人気のサンアディユが制した07年をのぞき、勝ち馬はすべて5番人気以内。馬連平均配当が4954円と低めの水準で、10番人気以下馬が[1-1-1-41]と不振なのだから、基本的には堅め決着のレースといえる。穴を狙うとしても、3着ヒモに人気薄が来るパターンに限定する程度のほうがよさそうだ。

 目立っている項目を列挙すると「先行馬の好成績」「牝馬の強さ」「6歳以上馬の不振」「前走小倉組の好調」など。とくに素晴らしいのが「前走小倉1番人気出走馬」で、こちらは[5-1-1-2]で勝率55.6%という驚異的な成績をおさめている。今年これに該当する登録馬は、エーシンヒットマンただ1頭。この人気ならば、絶対に押さえておくべきである。

 まだ残暑が厳しい時期のレースらしく、牝馬の強さもかなり顕著。あとは、近年の勝ち馬がすべて、中9週よりも短い出走間隔であるのも重要なポイントといえそうだ。今年もこの傾向に沿った結果となるなら、カレンチャンの1着はない。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開幕週につき詳細不明も路盤はおそらく堅め。かなりの高速馬場前提で。

・天候予測
 木曜日〜日曜日はすべて降水確率が高め。いきなりの重〜不良馬場も想定。

・勝利数トップ種牡馬
 サクラバクシンオー 勝率11.3% 連対率26.8%

・著者の注目血統
 サクラバクシンオー産駒、母父トニービンの配合馬、マル外

・瞬発力要求度
 44.8(基準値▼5.2)※注

 週末にかけて延々と雨予報が出ており、いきなり渋った馬場となりそうなのは気がかり。開幕週なので芝コンディションが良好なのは間違いないが、どういったバイアスの馬場になるか、予測が非常に難しい週となりそうだ。

 血統面では、サクラバクシンオー産駒が断然の存在。出走数が他の3倍近くあるにもかかわらず、トータル連対率が26.8%もあるというのは驚異的。非常に高いコース適性を持つのは間違いなく、今年エントリーしてきた4頭も当然要チェック。あとは、カレンチャンが該当する「母父トニービン」の配合馬や、コースデータ&レースデータの両方で妙に高い期待値となっている「マル外」血統も、プラスに評価しておきたいところ。今年の登録馬で唯一の外国産馬であるヘニーハウンドには、かなり食指が動かされる。

★総論×各論
 カレンチャン、ロードカナロア、サンカルロ、マジンプロスパーなど、スプリンターズSへと向かう主力級が前哨戦として多数エントリー。しかし前述したように、このレースで1着に来る可能性が高いのは夏に使われてきた組の馬である。それを踏まえた上で今年の登録馬を見渡すと、上位人気となるであろう馬のほとんどが休養明け。となると、人気薄の伏兵が台頭してくる余地も十分にあるし、思わぬ大波乱となる可能性もありそうだ。

 まずは中心となるカレンチャンの扱いだが、実績断然の5歳牝馬で血統もコース向きと、ローテ面以外での不安はとくに見当たらない。トレセンで入念な調教が積まれていることから仕上がり面にも抜かりはなさそうで、さすがに「消し」は暴挙。ただし、久々はやや苦にする面のある馬でもあり、1着固定での決め打ちも正直オススメしかねる。

 同様にサンカルロ、マジンプロスパー、ロードカナロアの牡馬3頭も、ローテ面での不安が先に立って、アタマでは狙いにくい印象。ならば、レースとの相性がいい「前走小倉組」である北九州記念出走組から、牝馬のエピセアローム、エーシンヴァーゴウや、前走1番人気馬であるエーシンヒットマン、外国産馬であるヘニーハウンドあたりを1着固定で狙っていく手もありそう。個人的にはこちらをフォーメーションの1着に固定したスケベ馬券に妙味を感じるのだが、どうだろうか?

■京成杯オータムハンデ(G3・フルゲート16頭/登録20頭)
 今年からサマーマイルシリーズの最終戦に位置付けられた、京成杯オータムH。絶好の芝コンディションで迎える開幕週で、しかもただでさえ先行&内枠有利な中山芝1600mでの開催なのだから、最も重視すべきファクターが「枠番」「脚質」であるのは言うまでもない。

 実際にレースデータを見ても「4コーナーを5番手で回った1枠〜2枠の馬」は、トータル[3-2-2-4]で連対率45.5%、単勝回収率180%、複勝回収率177%という超ハイアベレージ。信頼に足る逃げ・先行馬が内枠を引き当てた場合、その信頼度は非常に高いと考えたほうがいい。対照的に、4角を10番手以下で回るような枠番&脚質だと、その時点でアウト。こちらはトータル[0-0-1-41]と信頼度皆無であり、ノータイムで「消し」がセオリーだ。

 となると、注目はやはり徹底先行型の実力馬。とくに推したいのは安田記念からのローテとなるコスモセンサーだ。前有利の馬場バイアスを利したものとはいえ、G1での3着好走は高く評価してしかるべきもの。1月には中山マイルでガルボを完封した実績もあるわけで、極端な外枠を引きでもしないかぎりは好走必至と読む。逆に、新潟ではスローの先行しか経験していないドリームバスケットや、脚質が不器用なレオアクティブあたりは、積極的に嫌っていきたい。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象

※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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