スマートフォン版へ

五人組と隣組とTポイント

  • 2012年09月06日(木) 12時00分
--------------------
T POINT カードをお持ちでしょうか?
--------------------

この夏の新潟競馬のポイント2倍レースはNST賞だったのではないか?

そう思いたい。いやそう決め付けたい。

理由はNST賞で「先行」して頑張った馬がその後も頑張っちゃってる気がしてるからだ。

NST賞 新潟 芝1800 OP
1着スマートシルエット 2−2(位置取り)
2着スピリタス 3−3
3着ドリームバスケット 3−3
4着シルクアーネスト 11−11
5着アスカトップレディ 6−9

8着シゲルスダチ 1−1

NST8着ながらも逃げて見せ場を作ったシゲルスダチは次走、北九州記念を12番人気で2着した。
(一応、このコラムでも当時注目したし、週末も大注目した。なぜか馬券はスットコだったけど)

NST1着のスマートシルエットは先週の新潟記念で6着だった。着順は悪いけど、1着〜6着までが、クビ・クビ・ハナ・クビ・ハナの大接戦だったことと、ゴール前、不利を受けたことを思うと、十分頑張ったに値する。

NST2着のスピリタスは次走、関屋記念で8人気で3着した。
(このコラムでは具体的には触れなかったけど、週末は大注目した)

前述したようにこの3頭はすべて、NST賞で先行して頑張った馬たち。
ちなみに差しで4着、5着したシルクアーネストとアスカトップレディは、関屋記念で12着、9着と惨敗した。
不思議だ。スロー(NST賞)を差して惜敗した2頭なのに! NST賞より流れたレースなのに! てんでダメだった。

今年からNST賞は芝1800になった(それまではダート1200だった)。
そのことが結果的に盲点となって、次走の人気の押し出しを防いで、走りやすい状況を作ったのかもしれない。
しかも今年の夏は全国的に晴天がつづき、馬場もひじょうに良かった。だから開催が進んでも、先行力が生きたのかもしれない。

けれど、先行した馬3頭それぞれ別の重賞で頑張れてるところを見ると、単純に先行レベルが高いレースだったとも言えなくもない。

(ホントは呑気にNSTイエーイ!と、はしゃいでいたいだけだったりして。夏競馬は終わったけど、サマーシリーズは今週までつづく。だからもうちょっと夏競馬を引きずってもいいはず。っていうか、引きずってこそ夏でしょ、むふ。)

そんなNST賞先行組でまだ「次走」してないドリームバスケットが今週ついに京成杯に出走する。
スピリタスとともに出走する。

ドリームバスケット 5歳 ハンデ55 柴田善
中山芝(4-4-0-2)、1600(3-3-0-5)
中山1600(3-3-0-1) 11連対中7回先行

もし先行力を活かしたくて、ここまで待っていたとしたら、それは頼もしい。
っていうかどう見ても、中山1600は得意。
むしろ待っていたとしかいいようがない。

というわけで、まずはNST賞でポイントをゲットしたであろうホースとして、ドリームバスケットとスピリタスに注目してみる。
(スピリタスは現状17番目で、1頭回避で出走できる)

ドリームバスケット 牡5 55 柴田善
スピリタス     牡7 55 内田博

--------------------
五人組と隣組
--------------------

開幕の中山、特に芝は「五人組」から買っておけば、だいたい当たる。
それがここ数年のざっくりとしたイメージ。

五人組
タナカツ・内田博・後藤・吉田豊・横山典

ここに味付けとして「隣組」を加えると馬券はいい感じに広がる。
隣組は2着、3着で頑張るイメージ。

隣組
松岡・北村宏・石橋脩・江田照

たとえば、去年の京成杯は
1着 横山典・五人組
2着 タナカツ・五人組
3着 アンカツ・関西名手

2年前
1着 津村
2着 石橋脩・隣組
3着 内田博・五人組

3年前
1着 内田博・五人組
2着 吉田豊・五人組
3着 石橋脩・隣組

4年前
1着 藤田・関西名手
2着 北村宏・隣組
3着 後藤・五人組

5年前
1着 タナカツ・五人組
2着 江田照・隣組
3着 後藤・五人組

ほぼ五人組を中心に決着し、そこに隣組が食い込む。どっちもないときは関西名手。それでだいたい。

今年の京成杯は、
五人組
タナカツ・ガンダーラ
内田博・スピリタス
横山典・レオアクティブ

隣組
松岡・コスモセンサー
石橋脩・ゼロス
北村宏・エーシンリターンズ

隣組は3頭全部父キンカメの先行馬。
開幕中山を考えると、ペースが速くなっても、前は無視できない。
キンカメがレースを作って、キンカメがフィニッシュする絵も見えたり見えなかったり。

ただし隣組は隣組。1着というより、2着3着に突っ込んでくるから隣組。
やっぱり頭は五人組から考えたい。
しかしガンダーラは休み明け、レオアクティブは差し・追い込みで、しかも外差し系の差し馬で、頭の不安あり。
残るは出走待機馬のスピリタス1頭のみ。

スピリタスは前記したようにNST賞でポイントをゲットしてる可能性のある組、略してNS-Tポイント組、もっと略してTポイント組。関屋記念で、貯まったポイントを使ってしまった可能性もあるけど、ノーザンFが出走未確定にも関わらず、五人組の一人・内田博を確保をしたことを考慮すると、まだポイントは使い切ってないとも言える。

ちなみに、今年の京成杯の特徴は4歳馬が1頭も出走しないこと。
例年、なぜか出走頭数の少ない4歳馬だけど、ここ10年、0頭はなかった。
その代わりといってはなんだけど、7歳馬は現状(スピリタスを含めずに)5頭が出走確保で、世代別では一番厚いことに!

3歳 4頭
4歳 0頭
5歳 4頭
6歳 3頭
7歳 5頭

京成杯のこの10年の勝ち馬は
3歳 1頭
4歳 2頭
5歳 6頭
6歳 1頭

こう見ると、7歳はニギやかしにすぎないように思えるけど、
8番人気以下で馬券圏内で穴をあけてる馬は、3歳と7歳のみ。7歳馬は入着狙いのニギやかしばかりとも言えないわけだ。

この10年で8番人気以下で圏内に飛び込んだ馬
3歳 3頭
7歳 2頭

ちなみに3歳の穴(8人気以下)はすべて逃げ先行馬。
今年はゼロスが逃げ先行しそう。
ゼロスの鞍上は石橋脩。おっと!隣組!
人気がないならもちろん警戒したい!

7歳は特に特徴なし。しいてあげれば、穴をあけたときの鞍上が五人組(タナカツ・吉田豊)であったことくらいか。
ただし今年は過去2勝の4歳がいない。そして7歳は出走頭数多い。そこになんらかの突破口を見いだせないか。

キョウエイストーム 蛯名
スピリタス 内田博
スマイルジャック 田辺
レインボーペガサス アンカツ
ロードバリオス 未定

キョウエイは中山マイル(2−3−0−0)だけど、長期休養明けを叩いて、順当にアガってきているか、そこが焦点。で、そこに未知の魅力もあり。
スマイルは実績の割に中山経験が浅くて(1−1−1−1)、そこを未知の魅力と取ればアリ。
レインボーも休み明けを叩いて、上向いてきてるならば、去年の3着馬だし、未知はある。
そしてスピリタスは鞍上が五人組の内田博! 心強い!

う〜む…未知に満ち満ちているな。いいぞー! 7歳!

とはいえ、一番満ち満ちのスピリタスはまだ出走を確定させてない。

つまり、今年の京成杯の五人組は通年よりも一枚割引とも言えるわけだ。

--------------
とどのつまり、
--------------

Tポイント組のドリームバスケットにもチャンスは残っているとも言えるわけだ。
ドリームバスケットの鞍上の柴田の善さんは、ちょっと前までは五人組に所属していた騎手で、京成杯と相性が悪い騎手ではない(約二年前の改訂で新五人組となった際に内田博と入れ替わった)。

週の真ん中水曜日〜木曜日。
京成杯AHは、最終的には枠が発表されて、馬や騎手の配置を見て、イメージをコントロールすることが特に大事なレースでもある。それは重々承知している。

でも、今は元五人組の善さんのドリームバスケットのTポイント放出をイマジネーションしておこう。

ちなみに1番人気は(1−0−2−7)と不振だけど、今年もしコスモセンサーが1番人気になったら、例年よりは頑張れると見ている。
理由は、コスモセンサーは3着圏内で頑張れる「未知」を残していると思っているから。
安田記念以来の出走だけど、その安田記念を先行して3着できたことは、過去、圏外に散った1番人気馬とは違う要素であり、そこに「未知」が残っていると認識している。たとえトップハンデ(57.5)でもその「未知」は消失しない…はず。

京成杯注目馬
Tポイント放出か!? ドリームバスケット
Tポイント残存か!? スピリタス

隣組騎乗馬・コスモセンサー、ゼロス

ヒモ・7歳

-------------------------------
セントウルS
-------------------------------

ヘニーハウンドとマジンプロスパーの単と
エーシンヒットマンとエピセアロームの3着以内に期待している。

ヘニーハウンドは芝成績(3−0−0−4)
マジンプロスパーは芝成績(5−0−0−4)

1着か着外。
こういう馬がそこそこの人気で出走して来たら、その傾向が崩れるまで単系の馬券を買いたくなる。
そこそこの解釈は馬によって分かれるところだけど、
ヘニーハウンドならば5番人気〜9人気でそこそこ、マジンプロスパーならば1番人気でなければそこそこ、と仮定している。

エーシンヒットマンは1600万条件を連勝して、G3を5着、6着と跳ね返された4歳馬。同じ父キンカメの4歳で条件戦を勝ち続け、G3を軽々と突破していったロードカナロアに比べたら、スケールは一枚割引に思える。
けれど、前走の北九州記念で1番人気を背負って、ハイペースを正攻法で走った経験はここで生きる気もしている(0.3秒差にも好感)。ゆえに3着以内で期待してみた(間違いなく人気も引き出されるだろうし)。

エピセアロームは前走・北九州記念を追い込んで3着した。「激流の北九州記念を先行して0.3秒差に踏ん張ったゆえ」に注目してるエーシンヒットマンと矛盾してるけど、エピセアロームの前走が出来すぎで(大外枠だったゆえの追い込み策と見た! それがたまたまハマッたと見た!)、むしろいい休み明けだったように感じている。そもそも追い込み馬でもなく、今回は本来の中団競馬が出来るのではないか。

そういえば、先週土曜日の「競馬王×netkeiba.comコラボ」のガチンコ2点勝負を、横手礼一さんが的中させてた。

「単・マイネルエテルネル 50%」

自分はマイネルエテルネルを遠い日の花火を見るように応援していただけだけど、横手さんはエテルネルの走法から、今の小倉の芝に合うと判断して、クールに推奨していた。さすが馬体と走法のスペシャリストだ。

よ〜し、ならば自分も!
エピセアローム=ロードカナロアのワイド38%
エーシンヒットマン=ロードカナロアのワイド38%
ヘニーハウンドの単勝22%

おっと! 3つ書いちゃった!
しかも足して100%になってない! 2%余っちゃった!ひひ〜ん!

今週のガチンコ2点勝負は西の万券王・棟広良隆さんの登場のようです。穴を大胆に買う棟広氏のガチ2はどんな馬券なのか? それだけで興味津々です。はたしてタイガー・ジェット・シンのストロング・スタイルなのか? どこまでも不沈艦スタン・ハンセンなのか? いや千の顔を持つ男ミル・マスカラスの方がいいかな? (ごめんね、たとえが古くって)

競馬王9月号

競馬王9月号

 9月号は「1番人気のガチ度を見抜く!」をテーマに人気 ライター陣が極秘データ&馬券術を披露。伊吹雅也の「鉄板/消しの最新セオリー」では1強or2強パターンや騎手&調教師アゲサゲデータ、社台グループの勝負度合いなどを分析。亀谷敬正は「1番人気で勝った馬は昇級戦でも買え!」をテーマに前走1番人気のオイシイ馬券術を、井内利彰は「誰にでもできるガチ調教チェック」を、そして半笑いは「新潟ダ1200mの超・鉄板条件」をそれぞれ披露してくれています。これらの必勝法を大好評の「綴じ込み付録・競馬収支ノート」と連動して使ってもらえれば、収支の大幅アップは間違いなし!その他のコーナーでは棟広良隆が「京大式馬券格言」を披露。コースの鬼!・城崎哲は「緑の砂問題/新潟競馬場攻略」について分析。新コーナー「休み明けパラドックス」では、休み明けの概念を覆すまったく新しい理論を大公開!その他、POG関連の情報も盛り沢山でお送りしています!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング